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個人の働き方や企業の人事労務、行政の労働施策など、労働に関するニュースを取り上げ、課題の解説や考察、所感などをつづります。(2020年6月4日)
在宅勤務、やめたくない!
緊急事態宣言が解除されて10日余りが経ちました。たまに乗る通勤電車も日に日に混雑し始め、社会が通常モードに戻り始めていることが感じられます。
今回の新型コロナウィルス感染症の拡大で、大きく変化したことの1つは「働き方」でしょう。感染拡大防止のための対策として、非接触・非対面が求められた結果、在宅勤務などのリモートワークが大きく注目されました。会員の皆様の中にも、「初めて在宅勤務を導入した」企業、「初めて在宅勤務をした」方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
【関連記事】うちの会社は在宅勤務できるの?〜導入ポイントと課題〜
コロナ禍の中で半ば強制的にスタートさせられた在宅勤務とはいえ、実際に進むにつれて、以下のようなメリットがよく挙げられていました。
≪企業≫
・通勤交通費やオフィスの設備費・光熱費など、コストの削減につながる
・育児や介護などで時間制約や通勤負担がある従業員でも仕事と私生活のバランスを取りやすい…など
≪個人≫
・通勤時間で生じる肉体的な疲労や精神的なストレスがなくなる
・オフィスでの雑務や電話応対がなくなり仕事に集中できる
・プライベートの時間や家族と過ごす時間が増える…など
(私個人も、在宅勤務は「通勤時間が2時間分が浮く」「満員電車で気力・体力が奪われない」「化粧をしなくていいのでメイク時間とオフする時間が短縮」「楽な服・楽な格好でデスクに向かえる」…など、元来のズボラ性格にはもってこいの環境でした。)
夫の在宅勤務で、妻はストレス爆発!?
一方で、在宅勤務で生じる様々な弊害やデメリットもあります。
≪企業≫
・適切な労働時間管理など労務管理が難しい
・働いている姿を見ているわけではないので人事評価が難しい
・セキュリティリスクが高まる
≪個人≫
・同僚や上司とのコミュニケーションが希薄になる
・きちんと評価されているのか不安
・通信環境によって仕事の効率が下がる
・仕事のオンとオフが切り換えづらい
など、当事者の仕事環境に関するものに加え、家族からの声―在宅勤務をしている夫に対する妻側のストレスや不満なども良く聞かれました。
今回は教育機関の休校・休園もあり、子供のいる家庭では子供の教育・生活管理・精神的ケアというタスクが上乗せされました。多くの家庭では、普段から育児を担う比重が高い母親―妻側の負担が激増したことと思います。その上、いつもは自宅にいない夫への配慮など、通常とは異なる生活スタイルを強いられたため、「在宅勤務」=主婦(夫)のストレス、という風潮が生まれました。
>>>次ページに続く
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●文/古橋孝美(ふるはしたかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。東日本事業本部データリサーチチーム所属。求人広告の営業職として、企業の人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動し、企業と労働者への実態調査である『パートタイマー白書』の企画・調査・発行を手がける。2012年、新卒採用・就職活動に関する調査プロジェクトを立ち上げ、年間約15本の調査の企画・進行管理を行う。2015年出産に伴い休職、2016年復職。引き続き、雇用の現状や今後の課題について調査を進める一方、Webサイトのコンテンツのライティング、顧客向け法律情報資料などの作成・編集業務も行っている。
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