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労働ニュースに思うこと

新卒「ジョブ型雇用」世代の人材育成とは?

個人の働き方や企業の人事労務、行政の労働施策など、労働に関するニュースを取り上げ、課題の解説や考察、所感などをつづります。(2021年2月4日)

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新卒一括採用終焉の予兆

 

 このほど、日本経済団体連合会(経団連)は春季労使交渉の企業向け指針で、ジョブ型雇用制度の積極的な導入の呼びかけをしました。既にKDDI、日立製作所、富士通等が導入を公表しています。経団連の会員企業(1,448社)にアンケート調査を行ったところ、導入すると回答したのは大手のグローバル企業や先進的な技術を保有している企業を中心に、全体の2割程度に留まっています。

 

 今後5年間程度の方向性としては、約7割の企業が未定、「増やしていく」「現状と同程度」がそれぞれ1割程度。適用する職務については「一部職務に限定して適用」と回答した企業が6割強と回答となっています(図1)。

 

 

 

 

■図1:2021年度入社対象 新卒採用活動に関するアンケート結果(経団連)

 

 

 

 現在、経団連が推進している「ジョブ型雇用」は、業務の遂行に必要な知識や能力を有し、特定の職務において活躍してもらう専門業務型・プロフェッショナル型に近い採用区分をイメージしています。欧米のように、特定の仕事やポストが不要になった場合に雇用自体が無くなることは想定されていないようです。学生が専門性を生かせる仕事を確約することで、主体性、やる気を持って仕事に取り組める環境を整える方向です。その結果、企業も生産性向上、イノベーションを実現できる組織力を高めていけます。

 

 

本当の意味での「ジョブ型」実現は試行錯誤が必要

 

 ジョブ型雇用とは、職務内容や職責を規定したジョブディスクリプション(職務記述書)を策定し、成果に基づき評価する仕組みのことです。
 従来の日本型雇用慣行は、人に対して仕事を割り当てるメンバーシップ型雇用。そして、日本型雇用慣行の三種の神器は、誰でも一度は耳にしたことがある「終身雇用」「年功賃金」「企業内組合」です。現状、三種の神器を維持できている企業は、以前より多くは無いとは思いますが、これに近い企業はまだまだあるかと思います。そもそも、日本全国の企業がそうかというとそうではなく、大企業スタンダードとも言えなくもないです。

 

 

 

 

 一方、仕事に対して人を割り当てるのがジョブ型雇用です。基本的に「同一労働同一賃金」で、「職種別、産業別組合」が当てはまります。仮に大企業がジョブ型雇用をスタートさせ、ジョブディスクリプション(職務記述書)を策定し、年齢に関係なく人材を職場に配置しても、終身雇用が前提だと、本当の意味でのジョブ型雇用にはなりにくいでしょう。職務(ジョブ)がなくなったときに、その社員をどうするのかという問題があるからです。例えば、本来の職務と異なる仕事をその人に割り当てるのでは、メンバーシップ型に逆戻りです。また、簡単に解雇することも難しいです。

 

 日本企業は解雇に関して、法律で「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする(労働契約法第16条)」と定められています。

 

 そうしたことを踏まえると、米国企業と同様のジョブ型雇用をイメージするのではなく、日本版ジョブ型雇用を試行錯誤しながらつくり込んでいくことになるのが現実的です。「新卒一括採用」「定年制」は、本来ジョブ型雇用とはトレードオフの関係にあるはずです。もし「新卒一括採用」が無くなる場合、新卒「ジョブ型雇用」を継続することで、年齢差別とも言われる定年制廃止の検討他、日本版ジョブ型雇用の体制が、徐々に整ってくるはずです。

 

 

>>>次ページにつづく

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につづく

 

 


●文/波多野雅彦(はたの まさひこ)
株式会社アイデム 東日本事業本部 キャリア開発支援チーム/教育・研修企画担当/キャリアコンサルタント(国家資格)
大学卒業後、大手ゼネコンにて国内外建設プロジェクトの施工管理に従事。経営学修士号取得後、経営コンサルティング会社にて経営体質改善・人材育成支援業務に携わる。現在、キャリア開発支援チームにて、教育・研修を通してお客様が目指す会社づくり、人づくりにお役に立てることを目指して日々業務に取り組んでいる。

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