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個人の働き方や企業の人事労務、行政の労働施策など、労働に関するニュースを取り上げ、課題の解説や考察、所感などをつづります。(2021年9月2日)
ボランティア浸透は阪神淡路大震災
皆さんは、「ボランティア」についてどんなイメージを持っていますか?
学生の頃、私は春と夏の長期休暇に、所属していたサークルでご縁のあった場所でボランティア活動をさせてもらっていました。今振り返っても、なかなかできない経験をさせてもらい、それは人生の思い出として、今後も忘れない、有意義な時間を過ごしました。周りの環境のすばらしさに加え、ともに活動をした友人やお世話になった方々とは今でも交流があり、私の狭い世界を大きく広げてくれました。チャンスがあれば、是非皆さんにも味わっていただきたいほどです。
このボランティアには、自ら志願して参加しました。うろ覚えですが、何らかの名目(指導料だったか)で1日500円くらい払っていました。ボランティア保険にも加入し、旅費はバイトで工面しました(これが一番高かった)。先方のご厚意で宿泊場所とごはん代(文字通り)は無償で提供してもらっていました。なので、私の中ではボランティアという言葉から連想される内容は上記のものでした。
日本でボランティアが一気に浸透したのは、1995年に起こった阪神淡路大震災といわれています。当時全国から数多くのボランティアが被災地へと駆け付け、述べ180万人にのぼったという記録があります。ここまで大人数のボランティアが集まったことはそれまで日本で経験がなく、以降当時直面した問題を教訓に、ボランティアセンターの設置やノウハウの蓄積が行われました。そのおかげで東日本大震災や、最近では西日本集中豪雨など、自然災害時に駆けつけてくださる仕組みができました。
自発的に自主的に行う活動
災害発生時に被災場所へ赴き、様々な支援活動を現地で行うボランティアを、災害ボランティアといいます。私が経験したものと同じ、ボランティアと名前がついていますが、毛色が違います。
直近では、ボランティアといえば2020オリンピック・パラリンピック東京大会のイメージを抱く方もいるのではないでしょうか。何年か前の公募段階では、大会ボランティア8万人、都市ボランティア3万人、計11万人の募集だったかと思います。が、紆余曲折あり、実際には都市ボランティアは8000人に縮小したというニュースがありました。それでも、多くの人が支援・協力してくれているおかげで、現在の大会が運営されています。
ボランティアという言葉の語源は「志願兵」という説と、「自由意志」(voluntas)という説があります。どちらも「自らの意志」が関わっていることは分かります。明確な定義を行うことは難しいのですが、現在の日本では一般的に「自発的な意思に基づき他人や社会に貢献する行為」のことをボランティア活動と表現することが多いです。要素を分解すると、
公益性:特定の人たちの私益につながるものではなく、社会や公共の福祉に役立つ
自発性:他社から強制されるのではなく、自分の意思に基づいて行う
先駆性:画一的に取り組まれる活動ではなく、社会の発展や取り組みの先頭に立つ
無償性:活動の見返りを金銭報酬で求めない、物的利益を期待しない
の4つが主に挙げられ、ボランティア活動の4原則として紹介されます。4原則は災害ボランティアで考えるととても分かりやすくて、当てはめるとこんなところでしょうか。
公益性:被害を受けた方々、関係各所のために
自発性:全国から志願して現地に赴き
先駆性:率先して復興へ尽力し
無償性:報酬を期待しない、請求しない
日本では、善意をもって誰かのためにする奉仕活動をボランティアと表現しがちですが、正確には「自発的に自主的に行う活動」となります。
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・ボランティアと同じ仕事内容で、アルバイトを募集
・タダより高いものはない?
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●文/関 夏海(せき なつみ)
2014年、株式会社アイデム入社。データリサーチチーム所属。賃金に関する統計・分析を担当。WEBサイトで発信している労働関連ニュースの原稿作成なども行っている。
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