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社員教育を行うときに考えておきたいことや注意したいこと、心に留めておきたいことなどをお伝えします。(2022年2月8日)
新人が定着しない
商業施設やオフィスビルの清掃などを行っているA社から、パートスタッフを対象にした研修の依頼がありました。新人パートが定着しないという問題を抱えていて、それを解消する内容を求められました。人が定着しない要因の1つは、職場の人間関係です。そこで、コミュニケーション・スキルを学んでいただく研修を企画しました。
研修は「働きやすい環境にする」というテーマを掲げ、聴く力と伝える力を養うカリキュラムを組みました。聴く力とは、相手を受け入れ、要望や考えを引き出すことです。伝える力は、相手に自分の考えを理解してもらうために必要なことです。いずれも、良好な人間関係を築いたり、プレゼンや交渉などを円滑に進めるためのコミュニケーション・スキルです。
退職理由はパワハラ
研修対象者は120人ほどで、心地よい雰囲気を作ることや傾聴のポイント、質問の仕方、分かりやすい伝え方、言いにくいことを伝えるときの注意点などを数回に渡ってトレーニングしました。
ペアになってもらい、互いに聞いているふりや無視をするふりをし、コミュニケーション不全を体感してもらうワークも行いました。実際に自分で感じることは、行動を改善するのにとても効果的です。
また、ハラスメントの知識もお伝えしました。A社では、新人はベテランとペアを組んで仕事をします。仕事を覚えてもらうためですが、ベテランの中には、仕事を教えるときに強い口調や厳しい言葉を使う人がいるようでした。いわゆるパワーハラスメントで、それが原因で新人が辞めてしまうことが少なくないようです。
仕事をスムーズに進めるために
仕事は1人だけでは完結できず、関わる人たちとコミュニケーションを取りながら進めていくことが求められます。多くの場合、仕事をする相手は選べず、自分とは価値観の違う人もいます。そうしたとき、円滑に仕事を進めるために必要なのがコミュニケーション・スキルです。
例えば、アサーティブ・コミュニケーションというものがあります。これは、相手を尊重しながら、自分の主張を伝えるスキルです。伝え方のスキルで、アイメッセージというものもあります。これは「私(アイ)」を主語にして、相手にメッセージを伝えることです。自分が主語なので、思っていることや感情を相手に柔らかく伝えることができます。A社の研修では、こうしたコミュニケーション・スキルもお伝えしました。
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【談】高橋脩子(たかはし しゅうこ)
株式会社アイデム 東日本事業本部 キャリア開発支援チーム/教育・研修企画担当
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