はじめに
私が現在担当している企業様の研修について、初めに少しご紹介します。金属加工業の企業で、営業担当者向けに来年3月まで、5回にわたる研修をスタートしたところです。1回目を終え、私が感じている大きな特徴は2つあります。
まず1つ目は、社長をはじめ役員の方々全員が研修をオブザーブされました。オブザーブといっても、ただ見学しているだけ、監視しているのではなく、ご自身も受講者のように謙虚に内容を受け止め参加されていました。これまでの教育が不十分だったと反省されている方や、内容について挙手して質問をしている役員の方もいらっしゃいました。会社全体で、この研修に真剣に向き合っている雰囲気がひしひしと感じられます。
そして2つ目は、アクションプランシートの扱い方です。研修で学んだことと実務を接続するために、研修を実施するたびに行動目標を立て実践してもらいます。ここまでは珍しいことではありません。私が素晴らしいと思っているのは、そのアクションプランシートに、社長がお一人お一人に手書きでフィードバックをされていることです。その人の特徴を把握していないと書けない応援メッセージが、そこにはありました。
長い文章ではありませんが、受講者32名お一人お一人に対し愛情のこもった文章です。5回目の研修が終わるまでには、受講者の皆さんが成長されているだろうと、今から楽しみにしています。
<アクションプランシート例>
研修の成果を評価する基準は?
さて皆様の職場では、研修が良かったかどうかを判断される基準はなんでしょうか?
私が学んできたインストラクショナル・デザインでは、学習や研修の成果を評価・測定するモデルとして、「カークパトリックの4段階評価法」というものがあります。アメリカでは約7割の企業が採用し、日本でも広く普及しているため、ご存じの方が多いと思います。簡単に言えば、学習の成果をどのように評価するのか、Level1からLevel4までの4段階に分類しています。下の図をご覧ください。
【Level1】反応
受講者の感想などのよる評価で、満足度や理解度などが評価項目になります。多くは研修終了後にアンケート式で行われます。
【Level2】学習
受講者が研修内容について知識やスキルを得たかどうかを評価します。受講後に確認テストやロールプレイング等を通じて行われることが一般的です。
【Level3】行動
受講後、現場で行動が変化したか、研修で得た知識やスキルを現場で活用しているか等を評価します。上司に対するアンケートやヒアリングを通じて行われることが一般的です。
【Level4】成果
研修によって行動が変化した結果、仕事にどのような変化を与えたかを評価します。売上、利益、定着率など数字で表せる指標を使うことが一般的です。
皆様の職場ではいかがでしょうか?
Level1からLevel4まで、数字が増えるほどに評価の難易度も上がります。できればLevel4、少なくてもLevel3の変化を期待される企業が多いのではないかと思います。
●文/松嶋清和(まつしま きよかず)
株式会社アイデム 西日本事業本部キャリア開発支援チーム/人材育成・研修プランナー
特定社会保険労務士、メンタルヘルス・マネジメント検定�擬�
大学卒業後、大手アパレル商社に勤務、全国の小売店との相談・折衝業務に従事する。その後1998年に株式会社アイデムに入社してからは、13年間に延べ3,000社以上の経営者・人事担当者らと面談。求人広告の営業担当として、採用および人材活用に関する提案を続けてきた。2010年11月以降は同社「キャリア開発支援チーム」にて、採用後の人材育成、教育・研修に特化した企画提案を行っている。