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怒りを笑いに変える!クレーム対応/谷厚志

第3回「お客様の“良き理解者”を目指す」

カスタマーハラスメントに悩まされる企業が増えています。元タレントの異色コンサルタントが、独自のクレーム対応を解説します。(2024年6月11日)

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 クレーム対応の際、大切なことの1つに「相手の話を“共感”しながら聴くようにすること」があります。共感しながら話を聴くとは、「相手の話をしっかり受け止めて理解を示す」ということです。
 次の2つのような話の聴き方を意識してください。

(1)相手からお話を引き出すための相づち
「はい」「ええ」「そうでしたか」「そのようなことがありましたか」「私どもの対応が良くなかったのですね」「それで今、ご連絡くださったのですね」

(2)相手の期待していたことや残念な気持ちに理解を示す相づち
「ご心配をおかけしました」「大変失礼いたしました」「お話、よく理解できました」「私どもの対応が至らず、ご不便をおかけいたしました」





お客様の気持ちを分かろうとする姿勢

 
クレーム対応では、「申し訳ございません。申し訳ございません」と謝罪を何回も繰り返すよりも、“良き理解者”として、お客様の気持ちを分かろうとする姿勢が大切です。他人事ではなく、いかに自分事として捉えるのか、自分の大切な家族や友人の話を聴くかのように共感しながら寄り添うような接し方をしていると、相手の気持ちも手に取るように分かるようになります。 

 メールなどの文章にて、クレーム対応する場合でもやり方は同じです。「文面を拝見して、いかにご気分を害されているかが、よく理解できました」と受け止めたという内容を記載してみましょう。クレームは、「解決してほしい以上に、分かってほしい」から発生することを忘れないでください。


話を聴くときは正面に立たない

 お客様からの感情的なクレームや大きな声で主張されるクレームを受けると、恐怖心でいっぱいになります。私も攻撃的なクレームは、震えるぐらい怖いです。

 対面でのクレーム対応の注意点として、お客様との立ち位置は正面を向いた状態を避けるようにしてください。クレームを言う立場だと分かるのですが、正面の相手に対してはとても言いやすいです。逆にクレームを受ける側は、正面から受けるとお客様と目が合い、威圧感を感じ、平常心を保つことが難しくなります。

 私にクレームのご相談がよくある業種として、病院、銀行、空港、コンビニ、クリーニング業界があります。とてもハードなクレームが多く「現場が疲弊しているのでアドバイスが欲しい」と、クレーム対応研修の依頼がよく入ります。

 最近になってハードなクレームの多いと言われる業界には、共通点があることに気づきました。それは“カウンター越しにお客様と向き合ってクレーム対応をしている”ということです。面と向かっての立ち位置は敵対関係を作りやすい環境なのです。クレームがハードになる原因の1つは、立ち位置にあります。
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“怒りを笑いに変える”クレーム・コンサルタント。一般社団法人日本クレーム対応協会の代表理事。
学生時代より関西を拠点にタレントとして活動。芸能界を引退後、会社員としてコールセンターやお客さま相談室のクレーム対応責任者を歴任。2,000件以上のクレーム対応に接し、クレーム客をファンに変える独自の対話術を確立する。2011年、クレーム対応のコンサルティング会社を立ち上げて独立。圧倒的な経験知と人を元気にするトークが口コミで広がり、年間200本以上の講演・研修に登壇する。著書に『損する言い方 得する言い方』(日本実業出版社)、『失敗しない! クレーム対応100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)、『ピンチをチャンスに変えるクレーム対応術』(近代セールス社)など。フジテレビ「ホンマでっか?TV」、日本テレビ「ZIP!」など、メディア出演多数。
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