中堅社員や管理職社員に向けての研修提案にあたり、よく課題になるのが部下との接し方や関わり方など、コミュニケーションの問題です。
最近の新入社員や若手社員は、『Z世代』に該当する方がほとんどです。Z世代とは、一般的に1990年代後半から2000年代前半に生まれた世代を指します。その中の一部はすでに社会人となっているので、「Z世代の社員と一緒に働いている」という方も多いのではないでしょうか。そんな私もZ世代の一人として、日々仕事をしています。
生まれたときからインターネットが身近に
部下とのコミュニケーションにおいて、「世代間ギャップ」に多くの管理職やリーダーが悩むと聞きます。さまざまなハラスメントの問題もありますし、コミュニケーションツールも変化しています。以前、連絡や情報共有は電話やメールだけで行われていましたが、今はSNSもあります。
また、コロナ渦を経て、在宅勤務が浸透し、働き方の多様化も進んでいます。管理職やリーダーの方たちが働いてきた時代とは異なることも多く、世代間でお互いに通用しない“常識”があるかもしれません。
Z世代の大きな特徴として、生まれたときからインターネットが身近にある「デジタルネイティブ」であることが挙げられます。Z世代は世の中にインターネットやデジタルテクノロジーが急激に普及する中、成長しました。世代間ギャップは過去にもいろいろありましたが、Z世代とのギャップを強く感じがちなのは、こうした社会環境の大きな変化が背景にあるのではないかと思います。
Z世代は飲み会を嫌がる?
Z世代は他の世代とは異なる価値観を持っており、時に何かと扱いづらい存在としてネガティブに捉えられがちです。「多様性を尊重すること」や「タイパ・コスパ重視」などの考え方を持っていることも特徴の1つであり、その他の世代の方たちと異なるところです。
そんな中、Z世代の私が感じる世代間ギャップを広げる原因の一つに、「世代をひとくくりにする考え方」があるのではないかと感じます。例えば、Z世代は「飲み会を嫌がる傾向にある」と言われますが、Z世代でもお酒が好きな人、苦手な人は存在します。それは、どの世代でも同じことだと思います。
また、「飲み会を嫌がる」ことについては、「お酒は好きだけど大人数は苦手」「自分のペースで飲みたい」「お酒は苦手だけど、尊敬できる人とお話がしたい」「会社の飲み会はぜひ参加したい」とZ世代の中でも考え方は様々です。私の周りの友人たちも、それぞれ違った考えを持っています。
Z世代は育った時代背景がその他の世代と大きく異なるため、特徴的な部分がクローズアップされがちですが、そのすべてが一人一人に該当するとは限りません。
●文/島田里佳(しまだ りか)
株式会社アイデム 東日本事業本部 キャリア開発支援チーム/教育・研修企画担当
大学卒業後、自動車教習所の受付として接客応対や事務などに従事。2023年、株式会社アイデム入社。現在、研修の運営を担当。研修を受講することの仕事への影響力と、人材育成の重要性を実感し、日々お客様の課題解決の役に立てるよう業務に取り組んでいる。