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ココロの座標/河田俊男

第101回「超加工食品のリスク」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2024年8月19日)

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 うつ状態になる原因はさまざまだが、食生活が問題になっているケースもある。例えば、超加工食品※ばかり食べていて依存症になり、仕事に影響が出る人もいる。

※糖分や塩分、脂肪分を多く含み、保存料や香料などのさまざまな食品添加物を使って製造している食品のこと。スナック菓子やカップ麺、炭酸飲料、冷凍ピザ、ドーナツなどが当てはまる





食生活で体重が増加

 燃料関連の会社に勤務する康太(38歳)は、プロパンガスを交換する仕事を10年以上やっているベテランだった。最近、彼はひどい倦怠感からうつ状態になり、長期の休暇を取った。原因は、特に思い当たらなかった。職場の人間関係はよく、みんな親切で仲もよかった。

 入社してから大きく変化したのは体重だった。徐々に太って肥満体型になり、プロパンを運ぶのに苦労するようになった。体重増加の原因は食生活にあった。朝起きると、コーヒーにミルクと砂糖をたっぷり入れて飲む。それからマーガリンを塗ったトーストにジャムをたっぷりのせて食べ、好きな炭酸飲料を飲む。また、シリアルに牛乳をかけて食べるときもある。

 昼はハンバーガーショップやラーメン店に入ることが多かった。仕事中の水分補給は炭酸飲料やスポーツドリンクで、毎日数本飲む。夕食は近所のスーパーやコンビニで買ったもので済ませていた。スナック菓子やソーセージをつまみにビールを飲んだり、カップ麺や冷凍ピザを食べたりして、野菜や魚はほとんど食べなかった。


脂質でドーパミンが活性

 康太はなぜうつ状態になったのだろうか。原因の1つは食生活にあるかもしれない。彼が主に食べていたのは、超加工食品と呼ばれるものだ。人にもよるが、日本人は1日の摂取カロリーの40〜50%ほどを超加工食品から摂取しているという。康太の場合は8〜9割になる可能性があり、依存していたと言える。
康太は昼食にハンバーグやラーメンなど、油の多いものを食べることが多かった。脂質を摂ると脳内のドーパミンが活性化し、強い満足感が得られるという。

 康太の日常は、独身男性としては一般的なものだった。帰宅するとゲームをしたり、映画や動画などを見たりして過ごしていたが、将来のことを考えて気分が落ち込むこともあった。仕事も楽しくなく、「このまま年をとり、何も楽しいことがなく死んでいくのか…」と思った。そんな気分をごまかすように食べていたのかもしれない。

 また、炭酸飲料水やスポーツドリンクなどをよく飲んでいたので、ペットボトル症候群になっていた可能性もある。ペットボトル症候群とは、甘い飲み物を大量に飲むことによって、急激な血糖値の上昇によって引き起こされる急性の糖尿病合併症である。症状としては激しい喉の渇きや倦怠感、腹痛などがあり、重症化すると意識の低下や昏睡状態に陥ることもある。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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