株式会社シグマクレスト/1次面接はボウリング!? 応募者と触れ合うことで、ミスマッチを解消
株式会社シグマクレストでは、ミスマッチの解消や社員の定着を図るために、遊びの要素を取り入れた選考を行っている。
定着率アップと応募者へのPR
1次面接で応募者に、自社の社員とボウリングやカラオケなどで勝負することを課している企業がある。製造業向けのシステム設計・開発などを行っている株式会社シグマクレストだ。
同社が、アミューズメント採用面接という遊びの要素を取り入れた選考を始めたのは2006年。6年経過した2012年現在、全従業員28人のうち、半数の14人が同面接を経験している。同社の採用担当、柿本収理(なおみち)さんはこう言う。
「アミューズメント採用面接を始めた目的は、大きく分けて2つあります。1つは、ミスマッチを解消し、定着率を上げるということです。システム開発の業界は、若い人が定着しないことが問題となっています。当社は業界の中では離職率が高いほうではありませんでしたが、応募者とのよりよいマッチングを目指すことは大切です。そのためには応募者をよく知ることが必要ですが、ゲームをすることで素の姿が見えるのではないかと考えました。同時に、応募者にも会社の雰囲気を実感してもらえるのではないかと思いました」
柿本収理さん
もう1つの理由は、会社の広報としての役割だ。規模の小さい同社が、採用募集に大きな予算をかけることは難しい。そこで、アミューズメント採用面接という変わった取り組みを打ち出し、マスコミなどの注目を集めることで、応募者に広くPRできると考えたのだ。
面接官は社員の立候補
同社に新卒で入った小澤輝利子さんは、実際にアミューズメント採用面接を受けた1人だ。募集広告で同面接を知ったとき、興味をひかれたという。
「私のときはビリヤードでした。何をやるかは事前に教えてもらえます。それまでビリヤードをやったことはなかったので、ルールやマナーを覚えました。また、ビリヤードが得意な友人に付き合ってもらい、一通りゲームができるようになるまで練習しました。勝負に勝つことはできませんでしたが、面接は通りました。事前に準備をしていったことを評価してくれたようです」
現在、小澤さんは選考する側になり、ゲームに臨む態度によって、入社にかける応募者の気持ちの度合いが伝わってくることを実感している。入念に準備をしてくる人もいれば、何もしてこない人もいるという。
「ゲームは、当社の社員3、4人といっしょに行っていただきます。面接官となる社員は立候補で決めます。所属部署は問いません。ゲーム終了後、参加した社員にシートを配り、応募者を評価してもらいます」
社員の誰もが面接官として1次面接に参加できることは、採用後に効果があるという。面接官の社員とアミューズメント採用面接で一緒になった新人は面識があるため、職場に溶け込みやすくなるのだ。
ゲームは遊ぶだけのものではなく、勝ち負けがあるものにしている。これまでにボウリング、ダーツ、カラオケ、ビリヤード、すごろくを行ってきた。
「こうした方法で1次選考を行うことは、社内でも賛否両論がありました。でも、予想以上によい効果を得られたと思います。ゲーム中に交わした会話の内容から、2次面接でより深い質問ができることもその1つです。アミューズメント採用面接は一般的な面接よりも、応募者との距離を縮めることができると思います」
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●株式会社シグマクレスト
所在地/東京都品川区東五反田1-20-7 神野商事第2ビル2階
創業/2001年
従業員数/28人
資本金/1500万円
事業内容/業務システムの設計・開発など
ホームページ/ http://www.sigma-crest.com/
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