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ココロの座標/河田俊男

第5回「もし、がんを宣告されたら」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。

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 ある日、突然「あなたはがんです」と医師に診断されることを想像したことがあるだろうか。想像するのもイヤな、不安な気分になるものだ。もし、自分にがんの診断が下されたとき、家族や友人、勤務先は適切な対応をしてくれるだろうか?

 

 

 

リストラで夫がうつに

 

 38歳の美咲には同い年の夫がいた。夫は2年前に大手家電メーカーをリストラされ、就職先を探していた。だが、自分が思うようなところは見つからず、次第にやる気を失い、うつ病になった。病院にかかっていたが、症状は悪化し、やがて夫は実家に帰ってしまった。何度も夫を迎えに行ったが、結局戻ることなく、離婚することになった。2人で見つけた新居は売却することになり、借金だけが残った。

 

 美咲には、小学校3年生になる女の子がいた。彼女にとっては、今や娘の成長だけが生きがいだった。美咲は小さなマンションを借り、派遣会社で仕事を見つけた。長い間、専業主婦をしていたので、仕事をするのは不安だったが、徐々に慣れていった。入社から半年もすると、仕事にも職場にも慣れた。しかしそんな折、美咲を大きなショックが襲った。

 

 

子宮がん宣告

 

 ある日、体調不良が続いていたので病院に行くと、医師に「子宮体がんです」と診断されたのだ。詳しい検査をすると、「子宮体がんの4期で、他に転移しています。最善をつくしますが、かなり進行しています」と医師に告げられた。そして、今すぐに入院し、手術を受けるよう勧められた。

 

 美咲は悩んだ末、手術することを決断した。彼女は入院をすることで会社に迷惑をかけてはいけないと思い、退社の意志を上司に伝えた。上司もそうした相談を受けた経験がなかったので、すぐに退職を承認した。そのとき上司は、「回復したら必ず連絡してくださいね」と言った。

 

 しかし、本当は仕事を辞めたくなかった。治療費、生活費、子供の養育費、借金など、経済的に困窮することは必至だったからだ。

 

 

 

将来への不安

 

 治療はどのくらい続くのか、費用はいくらかかるのか、自分はいつまで生きられるのか。そんなことばかり頭に浮かび、美咲は暗い気分になった。やがて不安感ばかりでなく、気力がなくなり、うつ状態になった。生きる気力がなくなってきたのだ。娘と一緒に死んだほうがいい、そのほうが幸せかもしれない、そんな気持ちになる日が増えた。

 

 

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●河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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