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現代に生きるビジネスパーソンで、身体の痛みがまったくないという人はどのくらいいるでしょうか。ずっとパソコンに向かって作業をしていたり、重要な業務に取り組んでいたりしていると身体は勝手に力んでしまい、筋肉はどんどん緊張していきます。仕方のないこと…と諦めていませんか。問題なのは、その緊張状態を仕事後にも放置しているとその姿勢を身体が記憶してしまい、リラックスできないどころか固まって動けなくなってしまうということなのです。さらには、神経の圧迫による痺れや腰痛、頭痛などを引き起こします。同じ姿勢を長時間保持することは、身体にとって想像以上に負担のかかることなのです。
このような不調の原因を抑えるためには、ご自身で少しでも身体をいたわるセルフケアが必要です。難しいことはせず、簡単な方法を続けていれば楽になるでしょう。日頃の生活で「正しい姿勢を知ること」と「こまめにストレッチすること」が大切です。自分の身体を整える上で気にかけていただきたいのは、あなたを支える骨格がきちんと正しい位置にあり、重力に対してストレスのない状態に保たれていること。少し詳しく見ていきましょう。
正しい姿勢を理解しよう
まず、立っているところから。全身が見える鏡に対して横向きで立ってみてください。最初にかかとの間をこぶし1個分くらい開けて、つま先までまっすぐになるように立ちます。ここから床から身体の中心に対して垂線を引くように、身体のラインを合わせていきます。外くるぶしのやや前、膝の中央、股関節のいちばん出っ張っている骨(大転子)、肩のいちばん出っ張っている骨(肩峰)、そして耳の穴を一直線上に合わせて、骨の配列(アライメント)をそろえていきます。
「姿勢良く立つ」というのはこの5つのポイントが、1本のライン上にあること。今はその状態に保つのがきついと感じているとしても、毎日数回この姿勢チェックを習慣にしていると、自然と良い姿勢に近づいていきます。さらにエクササイズをして姿勢改善を行っていくことが望ましいですが、日常生活の心がけも大切です。今の姿勢は普段の生活の習慣によって作られたもの。まずは、意識を変えることによって、普段の習慣を変えることが必要ですね。
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●文/井上かなえ
NATA公認アスレティックトレーナー、PHIピラティスインストラクター、NASMパフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト、NASMコレクティブエクササイズスペシャリスト。東海大学卒業後、米ネブラスカ大学オマハ校大学院に留学。アスレティックトレーニング学において修士号取得し、全米アスレティックトレーナー協会(NATA)公認アスレティックトレーナーとなる。日米のプロ、実業団、大学、高校のバスケットボールチームにて専属トレーナーを歴任。現在、大学等のアスレティックトレーナーとして活動する傍ら、パーソナルトレーナー・ピラティスインストラクターとして機能改善エクササイズ、ストレッチング、栄養指導などを行う。
http://www.kanaeroom.net/
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