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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。
人生には就職や結婚、出産など、さまざまなターニングポイントがある。その際、変化に対応しなければならず、新たな知識や技術の習得、人間関係づくりが必要だ。急速に自分を変えることが求められ、うまくいかないと心の病を患ってしまうこともある。
店長を辞めたい
雄太は居酒屋チェーンの店長で勤続12年のベテランだが、初めて真剣に辞めたいと思った。精神的に限界になったからだ。最近の雄太は、よく眠れず店を休んでいた。まったく疲れが取れないので、病院に行った。すると、医師から軽いうつ病と診断され、「十分な休養が必要」と言われた。
疲労の原因は、人手不足の問題があった。求人を出し続けているが応募は少なく、業務過多による疲弊で既存スタッフの退職も増え、現場はますます忙しくなるという悪循環に陥っていた。また、アルバイトが入ってもすぐに辞めてしまうことが多く、本部には管理能力の低さを指摘され、雄太はダメ店長扱いされていた。
子育ての問題
雄太は、プライベートでも悩みを抱えていた。小学2年になる長男が、学校で暴力をふるっていたからだ。理由もなくクラスメイトを殴ったり、蹴ったりして、「お前はバカだ」などと怒鳴っていた。
学校では問題児とされ、妻の美紀は頻繁に担任教師に呼び出されていた。長男は叱られると反省するが、同じ行為を繰り返した。暴力をふるいたいという衝動があり、コントロールできないでいたのだ。担任には「もしかしたら発達障害の可能性もあります」と言われ、専門医に相談するように言われていた。
また、美紀は被害を受けた生徒の両親に謝りに行くなど、つらい思いをしており、大きな負担になっていた。実は彼女は子供が苦手だった。だから子育ても熱心ではなく、いつもスマホばかり見ていた。
雄太は、そうした美紀の行為が長男に悪い影響を与え、暴力をふるうような性格にしたと思い込んでいた。もっと愛情深く育てていれば、こんなことにはならなかったはずだ、そんな思いが消しきれなかった。長男の状態をネットで調べてみると、軽い自閉症、アスペルガー症候群などという病名が出てきた。脳障害の可能性もあり、雄太は絶望的な気分になった。うつ病の症状は職場の悩みと長男のことで、ますます重くなっていった。
問題はなにか
その後、雄太は会社に退職を申し出たが、人事担当者に「少し休職してはどうか?」と提案され、しばらく休むことにした。仕事を辞めても、やりたいことはなかった。これからどうやって生きていけばいいのか、雄太は迷っていた。
雄太は居酒屋にアルバイトで採用され、まじめで熱心なところを認められ、正社員として雇用され、店長にもなった。しかし、雄太は一度も店長になりたいと思ったことはなかった。子供のころは消防士になりたかったが、それも本気ではない。今まで自分が「どんな人生を生きたいか」を考えたこともなかった。居酒屋の店長になったのは成り行きだ。客として店に来た美紀と出会って結婚し、子供をもうけたのも、意思というよりも成り行きに近いところがあった。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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