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アイデム人と仕事研究所の研修部門の所員が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。
先日、弊社のビジネスマナー講師から聞いた話です。
「ビックリしちゃった。この間の新入社員研修。電話応対の基本を学ぶセクションで、市外局番を知らない受講生がいたの!」
「えっ?! それ、本当の話ですか?」
「もちろん、作り話でなくて本当の話です。名古屋市出身の受講生だからかもしれないけれど、東京の03、大阪は06、これくらいは常識として知っているかと思っていました。さらに、その先があって、東京の市外局番は0120だと答えたのよ」
無理もないかもしれません。新社会人が生まれた時には携帯電話があり、彼らは市外局番無しの090、080で個人から個人へ電話をかけるのが当たり前の時代に育っています。いま日常的に親、親戚、友だちへ電話をかける時は、固定電話ではなく「スマホ(自分)からスマホ(相手)」で済ませる方も少なくないでしょう。まして高校卒業したての新入社員であれば、アルバイト経験もなく固定電話で電話をかける、受ける経験は、ほとんどなくても不思議ではありません。
『何でもランキング「新人VS先輩 会社でびっくり!」(日本経済新聞2018年3月24日付)』によると、「先輩社員のおどろき」に、「職場の固定電話を率先して取らない」が7位にランクイン。固定電話がない家庭が増えていて「外線のかけ方がわからなかった(27歳女性)」という意見もあり、機器としての使い方に不慣れな一面もあるようです。一部だとは思いますが、市内であれば市局番は不要なことも知らない方もいるようです。携帯電話、スマホの場合には、市外局番から番号をプッシュしますから。
指導する側の当たり前を疑ってみる
前述の例は、稀な例なのかもしれませんが、“常識”“当たり前”も時代の変化と共に変わっていくのかもしれません。新社会人を受け入れる側、いわゆる昭和生まれの先輩、上司の“常識”“当たり前”を疑ってみる必要がありそうです。先輩、上司の“常識”“当たり前”を前提に指導にあたってしまうと、当人は理解できない可能性があります。そこは、「こんなこと常識だから言わなくてもわかるだろう…」と省略せずに、ゼロから丁寧に指導することが必要かもしれません。
なかには、「新入社員に気をつかいすぎる」という方もいらっしゃるかもしれません。「甘やかすな」「過保護過ぎる」「オレの時代は何も教えてくれなかった」等の声も聞こえてきそうです。もちろん変えてはいけないものもありますが、自分の家庭、自分の子どもを見れば、随分と変化していることも感じるはずです。
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●文/波多野雅彦(はたのまさひこ)
アイデム人と仕事研究所 教育・研修企画/キャリアコンサルタント(国家資格)
大学卒業後、大手ゼネコンにて国内外建設プロジェクトの施工管理に従事。経営学修士号取得後、経営コンサルティング会社にて、経営体質改善・人材育成支援業務に携わる。現在、アイデム人と仕事研究所にて、教育・研修を通してお客様が目指す会社づくり、人づくりにお役に立てることを目指して日々業務に取り組んでいる。
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