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日々、流れてくる、労働関連の多彩なニュース。本コラム欄では、アイデム人と仕事研究所の所員が、そうしたニュースに触れて「思うこと」を、持ち回りで執筆します。(2018年8月8日)
5年で、有業者は179万人増加
2018年7月13日、総務省統計局は平成29年就業構造基本調査を公表しました。この調査は、国民の就業及び不就業の状態を調査し、全国及び地域別の就業構造に関する基礎資料を得ることを目的とし、昭和31年から57年まで概ね3年毎、昭和57年以降は5年毎に行われており、平成29年調査は17回目に当たります。
今回は、当調査で公表された様々な項目の中の「有業者」に着目します。
■図1(出典:平成29年就業構造基本調査を元に作成)
平成29年就業構造基本調査で、普段から職業に就き収入を得ている人を指す「有業者」の数を見ると、6621万3千人でした(図1)。平成24年の有業者数6442万1千人と比較すると、179万2千人増加しています。その内訳を男女比で見ると、平成24年と比較して男性は約33万人の増加(0.4ポイント増)に留まる一方で、女性は約146万人増加(2.5ポイント)しています。増加率で見ると、女性は男性より約6倍で有業者が増加したことが分かります。
次に、年齢階級別の総人口における有業者の割合を見ていきます(図2)。男性は、「35〜39歳」の年齢階級のみ増加が見られませんが、その他の年齢階級では有業者の割合が増加しています。特に、「60歳〜64歳」、「65〜69歳」の年齢階級で7ポイント以上増加しています。
一方で、35〜54歳までのいわゆる働きざかりの年齢階級では、ほとんど増加が見られない結果になっています。女性は全年齢階級で増加していますが、男性と同じく最も増加率の大きい年齢階級が「60〜64歳」で7.8ポイント増となっています。また、25〜44歳までの増加率が特に大きくなっている特徴が見られ、男性と比べ働きざかりの女性の労働参加が積極的に進んでいることが見て取れます。
■図2(出典:平成29年就業構造基本調査を元に作成)
5年前の平成24年と比べて、60歳以上のシニア層の有業者が男女共に大きく増加したことと、女性の有業者が全年齢階級で増加したことが、有業者の増加に大きく寄与しています。背景には、これまで働き手とされてきた層だけではなく、育児をしている女性やシニア層にスポットライトが当たったことや、女性活躍推進法や高齢者雇用安定法など、国の後押しもあったことが考えられます。
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●文/柴田瑛一(しばた えいいち)
アイデム人と仕事研究所 研究員。大学卒業後、飲食チェーン入社。店舗マネジメントを学んだ後、商業施設デベロッパーにて20店舗以上の運営・商品開発・買付業務・人材育成・研修企画など、多岐の業務に携わる。2017年、株式会社アイデム入社。人と仕事研究所にて、店舗の現場を見てきた経験を生かしながら、雇用情報の調査、顧客・社内啓発向け労働関連資料の作成、賃金調査などに取り組んでいる。
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