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ココロの座標/河田俊男

第39回「過剰適応の若者たち」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2019年6月27日)

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 5月の大型連休が終わって6月になると、会社を辞める新卒社員が出てくる。社会に出て、最初の節目かもしれない。会社や仕事、人生について悩むときだ。そのとき何を考えたか、覚えているだろうか。たまには思い出してみるのも面白い。

 

 

休むのが怖い

 

 健斗はIT関連企業に入社して3カ月。ようやく職場の人付き合いにも慣れてきたが、誰にも言えない悩みがあった。休みが近くなるとイライラしてくるのだ。特に3日以上の連休は恐ろしい。「もし、休みに本気でダラダラしてしまうと、休み明けから会社に行けなくなる気がして怖くなります。だから、休みでも仕事をするようにしています」と言う。

 

 休日、健斗は会社の近くのハンバーガーショップやネットカフェにパソコンを持ち込み、ネットで仕事に関するリサーチをしたり、資料を作ったして、気持ちを落ち着かせていた。しかし、実際には不眠が続き、疲れが取れなかった。その疲れが毎日のように蓄積され、うつ病の予備軍になっていた。

 

 

 

 

 

オーダーミスでクレーム

 

 亜美はファミリーレストランで働いて2カ月になる。ある日、オーダーミスをしてしまい、クレームになった。それ以来、客やスタッフの前で緊張するようになり、うまく話せなくなってしまった。特に、注文をとるのが怖かった。

 以前は休日に競合店に入り、料理やサービスなどを観察して仕事に活かしていた。シフトに入る1時間前には、接客のイメージトレーニングをした。だが、オーダーミスがクレームになって以来、気力を失い、仕事を休みがちになった。

 

 ある日、上司から「やる気がないみたいだけど、原因はなんだ」と言われると、目から涙があふれてきた。上司から病院で診てもらうように言われ、メンタルクリニックに行った。するとうつ病と診断され、しばらく休むことになった。

 

 

問題は何か?

 

 健斗と亜美に共通することは、過剰適応だ。健斗は仕事のできる人間と思われたいし、会社に評価されたかった。だから、仕事を最優先にしてきた。また、なんでも自分でやらなければ気がすまない性格なので、仕事は増えるばかりだった。それに加えて人に頼ることができない性格で、1人で抱え込んでしまうのだ。そんな性格が過剰適応を起こし、休日が怖くなり、うつ状態になった。

 

 亜美も仕事ができる人と思われたかった。ささいなことでもいいかげんにできず、人にどう思われているかが、気になるタイプだった。クレームを受けたことが汚点に思え、自分を許すことができず、うつ状態になった。亜美も過剰適応だった。

 

>>>次ページに続く

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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