「人材の活用」「従業員の教育」「人事制度」等について、事例満載の記事や専門知識が深まるコラム等を展開。自社の活性化や雇用管理のヒントに!

「経営者やパート従業員の意識」等について、さまざまなデータを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

「平均時給 の検索」「時給の平均や動向」等について、データを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

アイデム人と仕事研究所では、「ビジネスマナーのブラッシュアップ」「新入社員の戦力化」「職種別・階層別の知識・スキルアップ」等につながるセミナーを開催しています。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

シゴトの風景

第94回「75歳、送迎ドライバーの覚悟」

働く個人にこれまでのキャリアや仕事観を聞き、企業が人を雇用する上で考えなければならないことを探ります。(2020年1月16日)

< 1 2 >


「高齢者だから運転は危険、という考え方は間違っていると思います」
 病院の送迎ドライバーとして働く野佐光宏さん(仮名・75歳)は、高齢者が事故を起こすたびに話題になる「運転免許返納論」に憤りを感じている。

「確かに、アクセルの踏み間違いや逆走など、高齢ドライバーの暴走事故が多いのは事実です。ただ、日々ハンドルを握っていて思うのは、危険運転は何も高齢者に限った話ではないということ。猛スピード、急発進、無理な車線変更など、若者でも危ない運転をしているドライバーはたくさん見られます」

 

 

 野佐さんは、ある公益財団法人に定年まで勤め上げ、65歳で病院の送迎ドライバーに転身。知り合いのツテで、自宅近くで働ける今の仕事を見つけたという。

「『人生100年時代』と言われる今、65歳からの人生はもはや余生とは呼べません。家にいても時間を持て余すし、身体もなまるので、『定年=リタイア』というのは避けたかった。そこで、車の運転なら慣れているので未経験でも大丈夫と思い、この仕事に就くことにしたのです」

 

 

 

 

 軽ワゴン車で、定期的に通院が必要な人工透析患者の自宅と病院を往復。週3日、7時〜15時の勤務スタイルで、1日の送迎人数は10〜15人だという。ちなみに時給は950円。10年勤務して、やっと50円アップしたそうだ。
「人工透析の患者さんは、通院しないと生きていけません。ですから、送迎ドライバーは人の命を守る仕事。日々大きなやりがいを感じながら、働くことができています。患者さんからいただく、『ありがとう』の言葉が私の原動力。生活のためというよりも、社会とのつながりを大切にしたいという気持ちで働いているので、金額は問題ではないんです」

 

 

 送迎する人工透析患者の年齢層は、40〜90代と幅広い。高齢の方が多いため、運転には細心の注意を払っているという。
「絶対に制限時速を超えないなど、安全運転を遵守。急ブレーキをかけると患者さんの負担になるため、車間距離をとって万が一の事態に備えています」

 

 

 送迎ドライバーとして働く仲間は6人。その多くが、野佐さんと同じ70代だ。ただ、高齢ドライバーの事故が相次ぎ、社会問題化したこともあってか、雇い主である病院側はドライバーの若返りを図りはじめたという。
「最近になって、40代の派遣ドライバーが新たに加わりました。勤務時間の延長を打診されるほど人工透析患者は増えているので、私たちが急に辞めさせられることはないでしょう。ただ、高齢者の雇用にためらいを感じていることは伝わってきます」

 

 

>>>次ページにつづく

 

※次ページ以降の閲覧には、会員登録(無料)が必要です
<会員サービスのご案内はコチラ

 

< 1 2 >

この記事のキーワード

クリックすることで関連する記事・データを一覧で表示することができます。

一覧ページへ戻る

2ページ目以降をご覧になるには、会員ログインが必要です。
会員登録(無料)がお済みでない方はこちら

会員登録(無料)はこちら

その他のコラム記事を見る

人気記事ランキング

ヒトがあつまる職場/田中和彦

[第9回「上司が部下に謝ることができる組織」]
企業は、ずっと同じ人たちで運営していくことはできません。人が辞めても、また入ってくる職場について考察します。

判例に学ぶ労使トラブルの処方箋/岡正俊

[仮眠時間は労働時間に当たるか?〜T社事件(最高裁H14.2.28判決、労判822号5頁)〜]
近年、労働関係の訴訟は社会的関心が高まり、企業にとって労使トラブル予防の重要性は増しています。判例をもとに、裁判の争点や予防のポイントなどを解説します。

時事トピックス

[2050年、3分の2の都道府県で「5分の1世帯が高齢者単独世帯」]
人事労務関連のニュースの中から、注目しておきたいものや社会の動向を捉えたものなどをピックアップしてご紹介します。
注目のコンテンツ

人と仕事研究所Facebook