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アイデムの人材育成・研修部門の担当者が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。(2020年5月14日)
私は前職、婦人服の販売員をしていました。その時の上司の教え、経験や考え方は、職種の変わった今でも自分自身の軸となっています。今回は、接客を通して私が学んだお客様との関わり方をお伝えいたします。
すべてのお客様は大切! ではサービスも同一にするべき?
アパレル業界では、夏・冬のセール時が繁忙期です。そしてそれぞれの開始日に先駆けて、顧客向けにプレセールをシークレットで行うところが一般的です。私が勤めていた会社も実施していました。案内対象は、顧客カードをご記入いただいた既存客がメインです。その中には半年間で1回ご来店、ご購入が1〜2万円の方もいらっしゃれば、毎月のようにご来店くださり、ご購入金額も合計20万円以上のVIP様もいらっしゃいました。
プレセールでは、一足先にお得に購入できるため、ご来店が集中します。また、シークレットでおこなうため、一見のお客様のご来店も重なり、店内は大変混み合います。その日もスタッフの数より接客を求めるお客様が多い日でした。私は当初、“すべてのお客様が大切なので、平等に接するべき!”と思い、接客をしていました。例えば、VIP様がご来店されたとしても、先に応対している目の前のお客様をいつでも最優先にするべきという考えでした。
しかし、マネージャーに言われたのです。「お客様を区別するのは当然のこと。うちの店を必要として通い続けているVIP様と一見のお客様へのサービスが同一なのは、公平だと思う?」と。
お客様への感謝の気持ちを忘れないこと
私はその言葉にハッとしました。もちろん一見のお客様をないがしろにしてもいいというわけではありません。先に応対していたお客様を優先に、という考えも間違ってはいません。しかし、いつも来てくださる常連のお客様に対し、配慮や感謝の気持ちが欠けていたことに気が付いたのです。そして、すべてのお客様を一括りにし、同一に考えることが公平ではないことにも同時に気づかされました。
例えば、飛行機でもファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミーの待遇は異なります。CAの方は、決してエコノミー利用のお客様に手を抜くわけではありません。ファーストクラスのお客様に対し、さらに上質でご満足いただけるサービスを提供しているのです。
マネージャーからヒントをいただいた後、店全体でも対応を見直しました。例えば、前述のような混み合うことが想定できるときは、常連のお客様にはお取り置きをお薦めしました。その際、接客したスタッフの勤務体制をお客様に伝えることで、あらかじめご来店日時を調整するなど、時間を確保する工夫をしていました。
そして、こちらは常連のお客様に限らずですが、お待たせする際にはお声がけを絶やさないことは徹底しました。忙しい時こそ、気持ちを込めた挨拶とお声がけをすることで、お客様にもご理解いただくことができました。
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●文/横越有紀子(よこごし ゆきこ)
株式会社アイデム 西日本事業本部 キャリア開発支援チーム/人材育成・研修プランナー/育休後アドバイザー
大学卒業後、アパレル会社に入社、6年半勤務。販売員として従事する中、店舗運営、現場での新人・後輩指導に携わってきた。上司からの教え、後輩指導を通じ、「人材育成」の大切さを痛感する。その後、「真剣に仕事に向き合う人の力になりたい」と考え、株式会社アイデムに入社。結婚、出産、育児休業を取得後、時短正社員として復職。復職後は、仕事と育児の両立に課題を感じ、育休後アドバイザーを取得。現在、企業様向けビジネスセミナーの企画・運営・事務局に従事している。
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