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はたらくりっぷ

『逃げ恥』平匡さんは、育休を切り上げなくてもよかった!?

社会で働くときに、知っておきたいこと、身につけておきたいこと、考えておきたいことなどを解説したり、考察します。(2021年1月14日)

 1月2日に放送されたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類! 新春スペシャル!!』、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。2016年に放送された『逃げ恥』はムズキュン恋愛模様だけではなく、さまざまな社会問題やギャップをコミカルかつ分かりやすく盛り込み、エンディングの恋ダンス人気もあいまって、一躍大人気ドラマとなりました。

 

 本編の放送から4年ぶりとなる新作のストーリーは、主人公の森山みくりと津崎平匡の法律婚・妊娠生活〜コロナ禍の育児が描かれ、今日の社会的な課題である「男性の育休」と「育休中に働くこと」について触れる内容となっています。

 

 

 

 

 ドラマ後半、みくりは娘・亜江を無事出産します。みくりの出産直後に1カ月の育児休業の取得を決めていた平匡は、紆余曲折ありながらもなんとか休業に入ります。

 しかし、新生児の育児に追われる2人のもとに1本の電話が…。それは、コロナの影響で会社メンバーが次々と自宅待機となってしまい、人手の足りない平匡の上司・灰原からの悲壮なヘルプでした。平匡は育休を早々に切り上げ、仕事に復帰してしまいます。

 

 えーっ! 育休 1カ月取るって言ったじゃん!
 …というのは置いといて、そもそも育児休業しながら仕事ってできないのでしょうか。育休を終了させないと、仕事はしちゃいけないのでしょうか?

 実は、現在の育児介護休業法では、以下の条件を満たせば就労することができます。

 

・一時的、臨時的な仕事
・月10日以内または月80時間以内
・労働者自らが、事業主の求めに応じ、合意すること(事業主の一方的な指示はNG)
・就労に対して賃金が支払われること(原則、通常就労時と同等の時間単価)

 

※ちなみに、育児休業給付金は、会社から支給された賃金額によって「全額/一部減額/不支給」と対応が変わります

 

 ドラマの中で、育休から復帰した平匡を待っていたのは、

 

・新型コロナによる急な欠員で遅延したプロジェクト
・テレワーク導入準備

 

 という一時的・臨時的と認められるであろう仕事でした。出勤日数や労働時間の調整によっては、育休を切り上げる必要はなかったかもしれません。

 

 ですが、育休制度に疎いであろう灰原がそこまで考えているとは思えませんし、平匡の勤務先であるリゼアスの規模などを考慮すると、上記の仕事でも月10日以内かつ月80時間以内に収まるかは怪しそうです。そうなると、育児休業を切り上げて復職するという選択肢が妥当かもしれませんが…。

 

 

 

 

 折しも、産後ケアの重要性が認知され、子の出生直後に男性の育児休業取得を促進する、いわゆる「男性の産休制度」創設に向けて国が動き始めており、今年の通常国会に提出される予定です。その中で、休業中の就労に関しては、前述した一時的・臨時的な仕事に加え、「あらかじめ予定した就労」を認める案などが挙がっています。

 

 しかし、育休中でも事前に予定しておけば就労可能なら「そもそも育休と言えるのか?」など、休業本来の趣旨から外れて運用されてしまう恐れがあるといった指摘もあります。一方で、男性の育休をなかなか許容できない企業が多い現実を見れば、少しでも取得のハードルを下げたいという意図も十分に理解できます。

 

 男性の産休制度がどのように設計されるかは、まだ不透明なところではありますが、多くの母と子の命と笑顔が守られる制度であってほしいと思います。

 

 

<参考サイト>
育児休業中の就労について(厚生労働省)
第34回労働政策審議会雇用環境・均等分科会(厚生労働省)

 

 


●文/株式会社アイデム 東日本事業本部 データリサーチチーム

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