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「ゆとり世代」が受けてきた教育、持っている価値観を把握するとともに、どのようなコーチングが有効なのかを解説します。
2010年8月1日〜8月31日の1ヶ月間、弊社WEBサイト「ブログ人事コレで委員会」にいただいたコメントをもとに書かれた記事です(「ブログ人事コレで委員会」は2012年3月末日に終了しました)。
☆ゆとり社員って何?
コーチという人種は、言葉にこだわる性質があります。まず、最初に整理しておきたいのは、ゆとり社員とはどういう意味なのか、ということです。皆さんおそらく、「ゆとり教育を受けてきた世代の社員」という意味で使われているのではないかと思います。
そこで、「“ゆとり教育”が、一体どういうものだったのか」ということを確認してみましょう。そもそも、「どういう能力を身に付けるための教育だったのか」ということをあまり意識されないで、この言葉を使われている方も多いのではないでしょうか?
実は、「ゆとり教育」というのは、とても良い意味の言葉としてスタートしています。
1996年7月の第15期中央教育審議会の第1次答申において、校内暴力、いじめ、登校拒否、落ちこぼれなど、学校教育や青少年にかかわる数々の社会問題の背景には、
「子どもたちの生活の現状としてゆとりの無さ」
があるとされました。さらに、社会性の不足や倫理観の問題、自立の遅れ、健康・体力の問題、同時に、国際性や社会参加・社会貢献の意識の低さも問題視されました。その上で答申では、これからの社会に求められる教育の在り方の基本的方向として、全人的な「生きる力」の育成を掲げました。その「生きる力」を育むものこそ「ゆとり教育」なのです。
一方、「ゆとり教育」が悪者になってしまった理由ですが、これは、「OECD生徒の学習到達度調査」(PISA) の結果が従来よりも下がり、学力低下が議論になったからです。
しかし、「生きる力」を育成しなければならないという文部科学省の方針自体は今も昔も変わっておらず、現在は方法論のところが少し見直されているわけです。ですので、その後の学習指導要領の改訂でも、教育の目指すべき人材像が変わっているわけではありません。
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