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個人の働き方や企業の人事労務、行政の労働施策など、労働に関するニュースを取り上げ、課題の解説や考察、所感などをつづります。(2022年8月9日)
最賃引き上げ目安「31円」
8月2日に、令和4年度地域別最低賃金額改定の目安が公表されました。毎年この時期(7月下旬〜8月頭)になると話題になるようになりましたが、今回の改定目安は次の通りです。
Aランク:31円 Bランク:31円 Cランク:30円 Dランク:30円
現在日本では、各都道府県を4つのランクに分けて、そのランクごとに引き上げの目安を出しています。この目安額をもとに、各都道府県でさらに審議が行われ、10月初旬ごろに新しい最低賃金が発効します。最低賃金制度とは、最低賃金法に基づいています。国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。仮に最低賃金額を下回って労使合意をしても無効となります。
近年では東京都や神奈川県のように(今回の目安通りにいけば大阪府も)1,000円を超えるようになり、注目を集めるようになりました。
今回の目安額は、マスコミで「過去最大の引き上げ」「大幅増額」といった見出し記事が多い通り、今までで最も高い額になっています。
最低賃金改定に係る目安額は、様々な資料を加味して検討されます。消費者物価指数、春闘妥結状況、有効求人倍率、賃金分布、生活保護水準、まだまだあります。目安を決定する中央最低賃金審議会(目安に関する小委員会)は、労働者側、使用者側、公益委員の、3者の立場から議論がなされています。
2016年に「全国加重平均1000円」が目標に
今でこそ多くの方がその存在を認知するようになった最低賃金制度ですが、私が学生の頃は聞いたこともなかったし、社会人になりたての頃もニュースの速報で流れるようなことではなかったと記憶しています。
話題になるようになったのは、政府目標の中に最低賃金に関する項目で具体的な数値が盛り込まれた頃からかと思います。
大きな変化は、2016年のころからです。2016年度の最低賃金は、全国加重平均で+25円の823円となりました。前年度比+3.1%です。以降毎年3%増を維持して改定されていきます。但し例外としてコロナウイルス感染症の影響で令和2年度のみ前年度をほぼ維持となっています。
なぜ「3%増」が続いてきているのかというと、
“最低賃金については、年率3%程度を目途として、名目GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げていく。これにより、全国加重平均が1000 円となることを目指す。”
という目標が、政府経済運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太方針」に盛り込まれたためです。2016年度の骨太方針に上記内容が記載され、以降も「年率3%程度」や「全国加重平均1000円」という言葉とともに毎年目標として掲げられ、今日に至ります。もちろん、骨太方針は最低賃金の引き上げ目安を決める資料のひとつとして提出されています。
同じ3%程度増であっても、元の加重平均額がどんどん増えていっている状況ですので、実際の引き上げ金額も増えていきます。毎年のように「過去最大の引き上げ」が起こっているのはこのためです。
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●文/関 夏海(せき なつみ)
2014年、株式会社アイデム入社。データリサーチチーム所属。賃金に関する統計・分析を担当。WEBサイトで発信している労働関連ニュースの原稿作成なども行っている。
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