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人材育成のツボ

口コミを活かし、人材育成につなげる

アイデムの人材育成・研修部門の担当者が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。(2022年11月10日)

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 先日あるクリニック様より、研修のご相談をいただきました。「なぜ研修を行いたいのか?」「どんな内容の研修をお考えなのか?」など、詳細をお伺いしたところ、受付スタッフの対応について危惧されており、その改善に研修が有効であるならば「実施を検討したい」とのことでした。

 

 スタッフの対応を改善するために接遇マナー研修やコミュニケーション研修をお考えになること自体はよくいただくお話で、決して珍しい事例ではありません。ですが、そのヒアリングの中で一点とても気になるワードがありました。それは「口コミ」です。

 

 

 

 

口コミの恐ろしさ

 

 口コミによる情報共有は、古くから人々の情報交換の手段として重宝されてきました。レストランの味の良し悪しやアパレルショップの店員の接客態度、病院の先生の腕前など、ありとあらゆる業界の評価が口コミにより共有されています。しかもインターネットが普及した近年では、会話による口頭での口コミからネット上へと場所を移したことで、伝わり方・拡散のスピードが劇的に様変わりしました。

 

 私自身、ネットでよく買い物をしていますが、その際には必ず口コミでの評価を確認して購入しているひとりです。消費者としては大変ありがたい情報源ですが、評価される側にとっては怖さも共存しています。

 

 冒頭のクリニック様の場合は、検索エンジンのクチコミに患者様の声が数多く書き込まれており、全体としては高評価の書き込みが多いものの、ここ数年は批判的なものが顕著に目立っていました。多くの悪評が拡散されてしまうと経営上のダメージも避けられません。今回ご相談いただいた直接のきっかけが、まさにこの口コミだったのです。

 

 

人材採用とエゴサ

 

 以前、人材採用をテーマにしたセミナーに登壇した際にエゴサ(エゴサーチ)の必要性について、お話をさせていただきました。新卒が企業研究をする際には対象企業に関する評価確認は必須ですし、新卒採用をしない企業の場合でも求職者は応募先企業をネットで調べるのが当たり前の時代です。だからこそ、企業側も自社の社名でのエゴサが有効と考えます。

 

 ネット上での自社の評判を知ることで、内容に応じて改善を検討するなどの対策を講じることが可能です。また、書き込まれている内容が事実と異なっていたり、行き過ぎた表現や個人を特定できるものが含まれていた場合には、サイト運営者に対して削除を求める必要があるかもしれません。

 

 採用現場では長らく売り手市場が続いています。よりよい人材を獲得するためにもまずはエゴサにより、自社を知ることをお勧めいたします。
 但し、ネット上の口コミはあくまで「表面に現れた現象のひとつ」でしかありません。評価の良し悪しに一喜一憂せず、評価に対する原因究明こそが大切です。解決すべき問題点が浮き彫りとなり、対策を講じて解決に至る。そこまで出来て初めて口コミを活かせたと言えるのではないでしょうか。

 

 

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につづく

 


●文/山田賢司(やまだ けんじ)
株式会社アイデム 西日本事業本部キャリア開発支援チーム 人材育成・研修プランナー
大学卒業後、教職の道を志し、人生2度目の浪人を選択するも夢破れ挫折を味わう。その後、高額収入の得られる肉体労働やナイトワークに従事し資金を貯めた後、イベント企画会社を起業。しかし業績は安定せず見切りをつけ株式会社アイデムへ営業(現:採用プレゼンター)として入社。約20年間、顧客対応のみならずマネージャーとして営業所運営・部下指導についても多くの経験を積む。現在はこれら数々の経験を活かし、お客様が抱える課題解決のため、研修プランナーとして日々奮闘中である。

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