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ココロの座標/河田俊男

第86回「絶望から生還した男」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2023年5月18日)

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<ストレス心理コンサルティング>

 ホームレスになったら、どんな支援があるのだろうか。浩之は支援ボランティアに保護されたが、そうした団体は一般的には知られていない。自治体による支援もあり、セーフティーネットとして知っておきたい。

サードマン現象

 人間は限界状態になったとき、脳がその人を救う機能を発揮することがある。アメリカの同時多発テロ事件で、ツインタワービルで奇跡的に助かった人の中に「立ち上がれ!」「お前にはできるはずだ」という声を聞いたり、誰かに助け起こされたような感覚を覚えたりした人がいたという。

 これはサードマン現象と呼ばれるものだ。外傷的体験を受けたときに、霊のような目に見えない存在が安心や支えをもたらすことをいう。浩之がホームレスになったときに聞いた誰かの声は、サードマン現象だったのかもしれない。





孤独の脳科学

 
マサチューセッツ工科大学の神経科学の研究チームは、「孤独感」に関連する脳の部位を発見した。研究によると、孤独を感じると脳の背側縫線核の神経細胞が活発に活動するようになるようだ。一度、孤独感を感じた脳は、孤独に敏感で、集団に戻ってもかえって孤独感が強まってしまうという。また、社交的になってもキレやすくなるようだ。そして、キレてしまうことで問題を起こし、再び孤立し、孤独感を強めてしまう。

創造的な人間になれる?

 カナダ・マギル大学の研究チームによると、孤独を感じやすい人々の脳はデフォルトモードの領域の灰白質の量が多く、記憶領域への神経線維がより緊密な状態になっていることが分かった。有能な経営者や技術者は、瞑想などの訓練を通じて脳をデフォルトモードにし、創造性を高めたいと努力しているという。

 つまり、孤独を経験すると、新しい能力を獲得できると解釈することもできる。深い森でサバイバル生活をして生き抜いた人と同じと解釈できるのかもしれない。浩之のような人は商品開発などの創造性を必要とする仕事に就くのもいいかもしれない。


※参考・引用文献
奇跡の生還へ導く人―極限状況の「サードマン現象」(ジョン・ガイガー著/新潮社)

※参考・引用記事
・「孤独」を感じる脳の部位、特定される:研究結果(WIRED2016年2月)
・孤独を感じる人は「知的な人」だった!常に脳が活動、しかし大きな危険が…(tocana2022年12月)



●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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