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応募者を見極める選考基準の新常識/奥山典昭

第2回 大事なのは「何を言ったか」ではなく「何をしたか」

採用選考の常識や通念はアップデートされずに根付いているものが多く、合理性を伴わないものも少なくありません。既成概念から脱し、自社に必要な人を採用するための、新しい考え方や知識を解説します。(2023年11月7日)

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応募者が発信する情報は、必ずしもその人の本質を映さない

 人材採用に臨む経営者や採用関係者は、応募書類に書かれていることや採用面接で応募者が話した内容に対して、どのように向き合えばよいのでしょうか。
 「採用されたい」と願う応募者の一生懸命な発信に敬意を払い、その内容を尊重するのは人として当然のことです。しかし、そこで得た情報の取り扱いを誤ると、「採ってはいけない人」を嬉々として採用してしまうことになりかねません。





 自分が入りたい会社から高評価を得たいと考える応募者が、発信する情報に誇張や脚色やときに多少の捏造を加えるのは当然と考えるべきでしょう。応募者が語る経験や実績自体は事実であっても、「それを得る際にその人の能力がどれくらい寄与し、それを得たことで何らかの能力が強化されたのか」を知る術はありません。また、大学生の自己認識が不安定なのは当たり前で、応募者が述べる自分の強みや弱みについても、大半は真実を捉えていないと思います。

 このように、応募者がアウトプットする情報には、信頼性に欠けその人の本質を映さないものが混在しますが、多くの経営者や採用関係者がそんな情報を採否の判断材料として重視しているという現実もあります。接する情報の精度を識別する術を持たないのに、それを安易に採否の判断につなげようとするのは、あまりに危険過ぎるのではないでしょうか。


人の能力を最も表現するものは行動である


 私たちの採用アセスメントには、「応募者が発する見せるための情報に振り回されず、応募者が無意識的に示す行動を観察対象とすべし」という鉄則があり、基本的に応募者の発言内容は重視されません。不健全性や思考力欠如を映すような発信をマイナス評価につなげることはあっても、応募者が言ったことに好感を抱いて人格的な評価を高めたり、それらしく綺麗に話す応募者を思考力の持ち主とみなしたりすることは、固く禁止されています。

 アセスメントの演習課題に取り組む応募者と向き合う私たちの意識は、「応募者が何を言ったか」ではなく、「応募者が何をしたか」に向けられます。人の能力を最も表現するのは行動なので、応募者の人間性や素養を正しく見極めたいと思うなら、その人の本質を映す行動特性が見つかるまで、応募者の行動を粘り強く拾い続けることが求められるのです。

 一般的な採用面接においても、応募者が自分の本質を映す無意識的行動を見せる場面は決して少なくありません。前コラムの第5回(バックナンバーにあります)で述べた自己防衛行動や自己充足行動などは、比較的キャッチしやすい行動群ですが、そのような知識を持たなくても、心の奥底で抱く違和感や嫌悪感に正直になることで、応募者の問題行動に正しく反応することは可能です。
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●文/奥山典昭(おくやま のりあき)
概念化能力開発研究所株式会社代表、組織再編支援コンサルタント、プロフェッショナルアセッサー
大学卒業後、商社での海外駐在、大手電機メーカー、人事系コンサルティング会社などを経て、1999年に概念化能力開発研究所株式会社を設立。人の能力や資質を数値化して客観的に適性を評価する人材アセスメントと、組織に必要な人物像を抽出する採用アセスメントを駆使し、企業の組織再編や採用活動を支援。現在、応募者の本質を見抜くノウハウを企業の経営者や採用担当者に伝える採用アセスメントの内製化支援に注力している。著書に『デキる部下だと期待したのになぜいつも裏切られるのか』(共著・ダイヤモンド社)、『間違いだらけの優秀な人材選び』(こう書房)、『採るべき人 採ってはいけない人』(秀和システム)、『採るべき人採ってはいけない人第2版』(秀和システム)
https://conceptual-labo.co.jp
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