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人材育成のツボ

中堅社員は「イエスマン」であるべき？

アイデムの人材育成・研修部門の担当者が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。（2024年10月10日）

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　人材育成プランナーとして仕事をさせていただいている中で、中堅社員の育成についてお客様から相談を受ける機会がよくあります。今回はその中堅社員にスポットを当てて記事を書かせていただきます。私は、組織で働く人たちは誰もが、特に中堅社員はイエスマンであるべきだと思っています。

　と言っても、一般的に使われている、ネガティブな意味合いでの「イエスマン」ではありません。同時に私は組織において中堅社員の役割は極めて重要だと考えています。人材育成にかかわる立場から、中堅社員が身につけるべき能力を示しつつ、中堅社員がイエスマンであるべき理由をお伝えしたいと思います。





中堅社員育成に対しての関心度

　中堅社員育成に対しての関心度について、まずはデータを一つご紹介します。厚生労働省が発表している「令和5年度能力開発基本調査」によると、正社員に対して何らかのOFF-JTを実施した事業所は71.4%です。その中で、階層別研修を実施した事業所の割合は、以下の図の通りです。新入社員が58.9%、中堅社員は56.9%、管理職層は48.0%です。新入社員が最も高いのですが、中堅社員への関心度の高さが表れています。



＜出典：厚生労働省・令和5年度能力開発基本調査＞


　私が担当しているお客様では、新入社員の次に多いのは管理職なのですが、それでも、中堅社員育成の重要度が明らかに高まっているのを感じています。例えば、ある大手ビル管理会社では、毎年中堅社員を30名選抜し、1年を通して毎月本社で研修を行っています。近い将来、管理職として活躍してもらいたい方を丁寧に育てていらっしゃいます。個人の成果だけを意識した仕事から、チームの成果を上げるための意識とスキルを身につける教育を続けています。これは、とても重要なことだと思っています。


中堅社員が最も発揮したい能力は？

　それでは、中堅社員をどのように育成すればよいでしょうか？
　中堅社員ご本人には、組織から期待されている役割がわからないという方が多いです。若手社員でもなく、管理職でもない。自身の立ち位置が不明確だと感じています。彼らが社内での自分の将来に対して明確なビジョンを持てず、成長の道筋が見えない場合、それがモチベーションの低下を引き起こし、結果として職場全体の生産性に影響を及ぼす可能性があります。

　そうならないためにも、組織は中堅社員に期待していることを伝える中で、彼らのキャリアの道筋を見つける手助けをする必要があるのではないでしょうか。そのうえで、中堅社員が発揮すべき能力の中で、最も重要なものは「フォロワーシップ」だと私は考えています。

　それでは、フォロワーシップとはどのようなスキルなのでしょうか？
　関連するスキルで「リーダーシップ」というものがありますが、この起源は古代ギリシアと言われています。古くからあるため、ほとんどのビジネスパーソンがその意味をご存じです。一方、フォロワーシップの起源は、1992年にアメリカのロバート・ケリー教授が提唱したのが始まりで、まだ30年余りです。
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●文／松嶋清和（まつしま きよかず）
株式会社アイデム 西日本事業本部キャリア開発支援チーム／人材育成・研修プランナー
特定社会保険労務士、メンタルヘルス・マネジメント検定�擬�
大学卒業後、大手アパレル商社に勤務、全国の小売店との相談・折衝業務に従事する。その後1998年に株式会社アイデムに入社してからは、13年間に延べ3,000社以上の経営者・人事担当者らと面談。求人広告の営業担当として、採用および人材活用に関する提案を続けてきた。2010年11月以降は同社「キャリア開発支援チーム」にて、採用後の人材育成、教育・研修に特化した企画提案を行っている。
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