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職場のメンタルヘルス/河田俊男

第14回「辞めたいけど、辞められない」

今回は仕事のプレッシャーから、過喚気症候群になってしまった新入社員の事例です。

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 入社してしばらくは誰でも緊張する。慣れるまでそれなりの時間が必要だ。本人ばかりでなく職場の上司もやはり気を使って疲れるものだ。入社の時期は少しずつ社会のストレスに慣れていく大切なプロセスだ。



もう辞めたい

 映像関係の専門学校を卒業した桃花は、映像関係の会社に入社して3カ月。なのに、仕事を教えてくれていた上司が、突然退職した。どうもそういう約束だったようだ。そこでいきなり今まで上司がやっていた仕事を任されることになった。

 上司は「分からないことがあったら、いつでも携帯に電話くれれば教えるから、大丈夫」と言ってくれた。しかしその上司に、いくら電話しても実際はほとんど出てくれない。まったく頼りにならなかった。

 納期が決まっている仕事なので、期限までに終わらせなければならない。連日深夜まで残業することになった。カレンダーを見て期限が迫ってくると、不安と緊張で手が震えだした。ミスも多くなり、やり直すことでますます仕事が増えた。

 期限も間近な朝、出勤途中で突然呼吸が苦しくなり、過呼吸になった。生まれて初めてなったので、恐ろしくなった。その日はそのまま自宅に帰った。翌日は仕事のことが気になり、夕方から会社に出社した。すると今度は会社で過呼吸になってしまった。



過喚気症候群になった

 心配になったので病院に行くと、過換気症候群と診断された。心身症になったのだ。会社は、仕事の期限のこともあり、「大丈夫か」としか言ってくれない。上司も辞めたくなる会社だ。友人に相談すると「辞めるなら早いうちがいいよ」と言われた。

 彼女に話を聞くと、上司が退職してから、うつ気分もあったことも分かった。毎日のように「辞めたい。でも頑張ってみよう」という葛藤の日々だったようだ。
 入社と同時にマンションを借りて、自活し始めた。生活もあるので、そう簡単には辞められない。そこに今回の過換気症候群だ。将来を不安に思うのも無理もない。



メンタルヘルス豆知識

 呼吸器系の心身症に過換気症候群がある。パニック障害のパニック発作と似ているので間違えることもあるが、違う症状だ。しかも厄介なことに、パニック障害とも合併症になることもあるので注意が必要だ。

 心身症にはさまざまな症状があるが、いずれの症状もストレスによって発症したり、症状が増悪したりするものだ。職場のストレスに対する耐性能力にも個人差がある。今まで誰もストレスと感じなかったことも、新人にとってはとてもストレスと感じることもある。そうした場合には職場の配慮が大切になる。
 過剰に呼吸する過呼吸症状で、過呼吸によって血液がアルカリ性に傾くので、呼吸性アルカローシスとも呼ばれる。


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●河田俊男(かわだとしお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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