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判例に学ぶ労使トラブルの処方箋/岡正俊

降格人事を決めるときの留意点〜K社事件(東京高裁H23.12.27判決、労判1042号15頁)〜

近年、労働関係の訴訟は社会的関心が高まり、企業にとって労使トラブル予防の重要性は増しています。判例をもとに、裁判の争点やトラブル予防のポイントなどを解説します。(2025年6月24日)

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【解説】
 今回は降格について取り上げましたが、降格といってもいろいろなケースがあります。大きくは懲戒処分として行われる降格と、それ以外の人事上の措置として行われる降格があります。また、役職を下げる(外す)場合と、役割等級・職務等級制度等における等級・グレードを下げる場合があります。本件は、人事上の措置として、役割グレードを下げ、それに伴い役割報酬も下げた事案です。





 降格について就業規則上の根拠が必要かどうかも、上記の「どの降格のケースか」によって異なります。懲戒処分の場合には、就業規則上の根拠が必要です。人事上の措置として行われる場合のうち、単に部長から課長に降格する、あるいは課長職を外す(それに伴い役職手当も外す)といった場合には、就業規則上の根拠は不要とされています。

 一方、本件のように職務・役職・役割と等級・グレード、さらに給与(役割報酬・職務給等)が連動するような人事・給与制度については、降格について就業規則上の根拠が必要とされています。
 就業規則上の根拠についても、どのような場合に「降格が可能か」という降格の要件や時期、そもそも役割の変更とグレード、給与の変更が連動すること等について就業規則に明記しておく必要があります。

 さらに就業規則で明確に定めていたとしても、減額の程度や降格の理由等により、「人事権の濫用になるかどうか」という判断がなされます。会社側としては、当該労働者が求められる役割、職務を果たしていない以上、降格になっても当然と考えるかもしれません。ですが、裁判例に照らした場合、降格が有効と認められるかどうか、慎重に検討する必要があると思います。



●文/岡正俊(おか まさとし)
弁護士、杜若経営法律事務所代表。1999年司法試験合格、2001年弁護士登録(第一東京弁護士会)。専門は企業法務で、使用者側の労働事件を数多く取り扱っている。使用者側の労働事件を扱う弁護士団体・経営法曹会議会員。
https://www.labor-management.net/
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