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人材育成のツボ

「怒り」の奥にあるもの〜アンガーマネジメントが必要な理由〜

アイデムの人材育成・研修部門の担当者が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。(2025年8月7日)

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 私の身内に、アンガーマネジメントが苦手な人がいます。ちょっとしたことで怒りの沸点に達し、周囲にきつく当たってしまうことがあります。「どうしてそんなきつく当たるのだろう」「なるべく怒らせないようにしよう」と周囲の人間が気を使って、疲弊してしまいます。同じような経験をされたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 責任感が強く、自分なりの「こうあるべき」という信念を大切にしている人ほど、理想が崩れたときに感情が爆発してしまうことがあります。それは、物事に真剣に向き合っているからこそ起こる反応であり、実はとても素直で誠実な一面を持っているのではないかと思います。だからこそ、自分が怒ってしまったことを後から悔やんだり、自分を責めてしまうことも少なくないようです。

 「もう怒らないようにしよう」と思っても、感情をコントロールするのは難しいものです。私自身、アンガーマネジメントは「一度学べば終わり」ではなく、何度も繰り返し、自分の中に落とし込んでいくものだと感じています。怒りの扱い方を身につけるには、それなりの時間と訓練が必要です。焦らず、丁寧に向き合っていくことが、何よりも大切なのではないでしょうか。
 そんなふうに感じていたある日、研修を通じて、似たような悩みを抱える企業様と出会いました。職場でも、「怒り」との付き合い方に悩む人は少なくないようです。





責任感の強いリーダー

 職場に「忙しいから仕方がない」「私は間違っていない」といった言葉が漂うとき、あなたの職場にも“アンガーマネジメント”が必要なのかもしれません。実際にこんな声がありました。
 ある製作会社では、3人1組でチームを組み、日々納期に追われながら制作を進めています。正社員1名とパート2名で構成され、リーダー格のAさんは、真面目で責任感の強い人物でした。ただ、人手不足とタイトな納期の中、Aさんの語気が強まる場面が増えていたといいます。納期や品質に対して高い意識を持つAさんは、自分にも他人にも厳しいタイプです。

 その姿勢はチームにとって頼もしくもある一方、「厳しさ」に疲弊し、緊張感に包まれる日々が続いていました。周囲には「想定外のことが起きると一気に不機嫌になるのです」「パートの人たちには気を使ってくれている分、案件を持ってくる営業の人に言い過ぎていて心配です」といった声がありました。Aさんに対して「仕事ができるけど、ちょっと怖い人」という印象を抱き、言葉選びやタイミングにまで神経を使うようになっていたといいます。


アンガーマネジメントとは?

 アンガーマネジメントとは、「怒らないようになること」ではありません。怒るべきことには上手に怒り、怒る必要のないことには振り回されない。つまり、怒りの感情をうまく扱うためのスキルです。

 日本アンガーマネジメント協会によると、怒りのピークは「6秒間」といわれています。この6秒の間にどう対応するかが、関係性やその後の空気を大きく左右します。よく誤解されがちですが、アンガーマネジメントは感情を押し殺すことではありません。むしろ、怒りを抑えすぎると“爆発”するリスクが高くなることもあります。大切なのは、「自分の感情に気づき、理解し、適切に伝える」こと。怒りを否定するのではなく、適切に扱えるようになることがゴールなのです。


怒りは“氷山の一角”

 怒りは、実は「第二次感情」とも呼ばれます。その奥には、不安・悲しみ・悔しさ・焦り・疲労などの“第一次感情”が隠れていることが多いのです。Aさんの怒りも、「間に合わせたいのに間に合わない」「もっと良くしたいのにできない」という焦りや「自分がやらなきゃいけない」というプレッシャーから来ていたのかもしれません。
 怒りの背景には、「こうあるべき」「こうでなければならない」といった“自分ルール”が潜んでいます。そして、それが破られたときに、怒りが噴き出すのです。
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●文/林原菜美(はやしはら なみ)
株式会社アイデム メディアソリューション事業本部キャリア開発支援チーム 人材育成・研修プランナー
大学卒業後、航空会社にて地上係員として航空保安・お客様対応に従事し、社内教育・指導を務める。その後株式会社アイデムに入社。西日本事業本部にて、企業・商業施設の研修企画を行い、お客様が抱える課題に向き合っている。
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