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口下手の人のためのトークテクニック/桑山元

ウケる話し方のキモ

わかりやすく話すためのテクニックや考え方、トークスキルを上げるヒントなどをお伝えします。(2026年10月21日)

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 もう1つ、ツァイガルニク効果という理論があります。人は「終わったこと」よりも、「終わっていないこと」や「中断されたこと」のほうが記憶に残りやすいという心理現象です。連載漫画や連続ドラマの「つづく」が次週まで気になるのは、このせいです。タイトルを付けた話は、オチまで聞き手の中で「途中」の状態が続くので、記憶にも残りやすいのです。

 ただ、注意点が1つあり、タイトルを盛りすぎないことです。冒頭で「人生が変わった話」と言って、中身がランチの店の話では、次から聞いてもらえません。これを芸人の世界では「ハードルを上げてスベる」と言います。タイトルはウソにならない範囲で、ほんの少しだけ気になる程度に。「ちょっと不思議な話」「10秒で終わる話」くらいで十分です。





ウケる話し方は、才能の有無ではない

 ついでに言うと、話すときのテンションも盛らないでください。寄席で実験して気づいたのですが、出だしで「面白い話をしますよ!」と勢いよく始めるよりも、深々とお辞儀をして、静かに、丁寧に話し始めた日の方が、ネタはよくウケました。最初からテンションを上げて話し始めると、聞き手との温度差でスベります。話のタイトルは静かに、少し間を取って言って、本題に入る。それだけで、聞き手は前のめりになります。

 練習方法は簡単です。今日あった出来事を家族や同僚に話す前に、頭の中で一行のタイトルを付けてから話してみてください。例えば「1つ間違えたら大事故だった話なんだけど…」「今日、3回も名前を間違えられた話なんだけど…」。言った後で、相手の「え、何?」が返ってきたら成功です。

 ウケる話し方の肝は、話し方の才能の有無ではなく、話す順番です。今回のポイントは「話の中身を磨く前に、冒頭に一行、タイトルを付ける」です。



●文/桑山元(くわやま げん)
研修講師・お笑い芸人・俳優。早稲田大学教育学部を卒業後、大手損保会社に入社。新入社員代表として答辞を務める。入社2年目に資産運用担当者として1,000億円を運用。その後、メインバンク本店担当部署で法人営業を経験。同社を退社後、声優養成所を経て、時事ネタを得意とするコントグループ「ザ・ニュースペーパー」に19年間所属。2022年に退団し、芸人と研修講師の二刀流で活動スタート。会社員時代に培ったビジネススキル、お笑い芸人として磨いたコミュニケーションスキルとアドリブ力などを武器に、企業や自治体などで数多くの研修を実施。メディア出演・掲載実績多数。著書に『すぐ使える!おもしろい人の「ちょい足し」トーク&雑談術』(日本実業出版社)。キャリアコンサルタント(国家資格)、損保代理店資格(特級・一般)、ニュース時事能力検定(準2級)。
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