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労働ニュースに思うこと

新卒社員の定着を考える

日々流れてくる労働関連の多彩なニュース。本コーナーは、アイデム人と仕事研究所の所員が、そうしたニュースに触れて「思うこと」を持ち回りで執筆します。

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2016年度、就職活動スタート

 3月1日、2016年度の新卒採用に関する企業の広報活動が解禁され、就職活動がスタートしました。好況傾向を反映し、昨年に引き続き、今年も売り手市場が予測されています。また、採用活動の後ろ倒しによる期間の短縮も重なり、企業にとっては昨年以上に厳しい状況になると思われます。
 就職活動は景気に左右される部分が大きいと言われています。好況のときは学生に有利な売り手市場となり、不景気のときは企業に有利な買い手市場となる傾向にあります。

 学生は、就職活動の時期を選ぶことはできません。売り手市場か、買い手市場かは時の運です。そのため、就職難のときは自分の志望通りの就職ができない学生が多くなる傾向にあり、離職率が高まるという見方もあります。

 新卒者の離職率は一般的に「七五三」と言われています。入社3年以内に離職する割合が、中卒者7割、高卒者5割、大卒者3割になるという意味です。

 厚生労働省発表の「新規学卒就職者の離職状況」によると、2011年3月に卒業した新規学卒就職者の入社3年以内の離職率は、中卒者64.8%、高卒者39.6%、大卒者32.4%でした。離職理由はさまざまですが、代表的なものは「期待と現実のギャップ」です。入社前に聞いていた仕事内容や会社の雰囲気が、実際とは違っていたということです。




相互理解を深める


 現在、雇用市場は少子高齢化などの影響で、人材難の傾向にあります。それを解消するには採用と定着という2つ観点から、人材確保の施策を講じる必要があります。売り手市場にある新卒採用活動も、同じことが求められています。魅力のある企業でなければ、就職先として学生に選ばれないからです。

 先述したように、新卒者の代表的な離職理由は「期待と現実のギャップ」です。ギャップの解消には、学生と企業の相互理解を深めることが大切です。お互いのことをきちんと理解し合えば、ギャップを減らすことができます。そうすれば、内定辞退の防止や定着などにつながるはずです。

 また、新人がやる気をもって働ける環境を整えることは企業の責務ですが、入社した時点で新人も企業の一員です。快適な職場は与えられるものではなく、自分たちで作り上げていくものであることを伝えていく必要があると思います。


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●文/三宅航太(みやけ こおた)

株式会社アイデム人と仕事研究所研究員。大学卒業後、出版社の営業・編集、編集プロダクション勤務を経て、2004年に株式会社アイデム入社。同社がWEBで発信するマネジメントなどに役立つ情報記事の編集業務に従事する。人事労務関連ニュースなどの記事作成や数多くの企業ならびに働く人を取材。
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