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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。
もし職場でストーカー被害にあったら、仕事どころではない。被害はさまざまなところに波及し、根も葉もないうわさや憶測が生まれ、自分の印象をゆがめられてしまうこともある。
閉店でリストラ
裕美が勤めていたあるファッションブランド店が、業績悪化で閉店することになった。店は時代の変化に対応しきれず、ブランドイメージが衰退し、売上も落ち込んでいた。
裕美は勤続25年のベテランで、かつては店でトップセールスを誇っていた。仕事に心血を注いできただけに、店を閉める日が来るとは夢にも思っていなかった。加えて、裕美はリストラの対象になった。
若いころ、裕美はカリスマ店員と呼ばれていた。店の洋服をうまく着こなすため、バッグやアクセサリーなどもブランドイメージに合ったものを選び、身につけるようにしていた。給料のほとんどはファッション代に消え、預金などまったくない状態だったが、彼女にはカリスマ店員としてのプライドがあった。だが、自分のすべてを捧げたものが消えた。大きなショックは、彼女の精神構造をもゆがめていった。
先輩への片思い
閉店セールが始まったころ、裕美は、入社時に片思いだった喜一郎のことを思い出すようになった。喜一郎は、裕美が入社したときに、教育を担当してくれた先輩だった。
現在、喜一郎は本社の管理職で、妻と2人の子供がいる。裕美は「退職するので、一緒に昼食をしたい」と喜一郎を誘った。だが、喜一郎は海外出張なども多く、忙しい毎日を送っていたことから返事を保留にしたまま、忘れてしまった。
裕美は返事を待ちながら、出会ったころの喜一郎のことを思い続けているうちに、だんだん妄想するようになった。やがて、喜一郎の方が自分のことを好きでたまらず、「会いに来てほしい」と求められていると思うようになった。
ストーカー行為
裕美は喜一郎が昼食でよく利用する店を探し出し、偶然を装って行くようになった。喜一郎の姿を見ることが、生きがいになった。
裕美は毎日のように昼食時間を狙って、会いに行った。そんなある日、裕美は店で喜一郎を見つけると、テーブルに近寄って「昨日は突然訪ねてくるなんて驚いたわ。次はメールしてから来てよね。でも、うれしかったわ」などと言った。
喜一郎は数人の同僚とテーブルについていて、ランチは仕事の打ち合わせを兼ねていた。裕美の言動に喜一郎は動揺し、その場を取り繕うのに精いっぱいだった。
裕美のストーカー行為は退職してから、ますますエスカレートしていった。職場でも話題になり、裕美と喜一郎は不倫関係にあったのではないか、といううわさが流れた。喜一郎は、そんなうわさや裕美のストーカー行為から逃れるため、会社に異動願いを出した。
異動願いが受け入れられ、喜一郎は転勤することになった。だが、ストーカー行為は終わらなかった。ある日、喜一郎の転勤先のマンションに、裕美から子犬が届いた。メッセージカードには「私と同じようにかわいがってね」と書いてあり、喜一郎の背筋は凍った。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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