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パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。
小学生の頃、私が思い描いていた将来の夢は「水泳選手」でした。泳ぐことが好きだったからです。このように、自分が好きだったり、興味のある仕事を「ライクワーク」(like work)というそうです。この言葉を知ってから○○ワークという言葉が耳に入るようになり、このほかに「ライスワーク」「ライフワーク」「ライトワーク」等といった表現を知ることができました。
「ライフワーク」とは自分の人生(life)をかけて取り組みたい仕事、「ライトワーク」とは何かに光(light)を持たせる力を持つ仕事、「ライスワーク」とは、お米(rice)を食べるため、つまり生活していくお金を得るための仕事を指すようです。表現が極端ですが、ライスワークは「とにかく稼ぎたい」とか「給料が良いから」「生活の足しにするため」といったモチベーションで選ばれた仕事はこれに当たると思います。ほとんどの人の場合、多少なりとも持ち合わせている要素でしょう。
これらは「こう言われている」というもので、どれが優れているということはないと私は考えています。皆さんの働き方に何が近いのか、全か無かではなく、どの要素が多いのか(少ないのか)、考え方や価値の置き方によって変わってきます。
今回は、平成28・29年発行のパートタイマー白書の内容を「ライスワーク」「ライクワーク」の視点を持ちながら見ると、「何が見えてくるのか?」を考えていきたいと思います。平成28年度版の調査対象は20~40代の女性、29年度版の調査対象は10~50代の男女でパート・アルバイトで働いている方です。
平成29年版パートタイマー白書では、仕事探しの際に重視する労働条件の項目を学生(本業が学生で、学業の合間に働く人)・主婦(家事・育児の合間に働く人)・一般(学生・主婦以外)に聞いています(図1)。どの分類でも最多回答は「勤務時間帯が合う」で、他に上位には「労働時間・日数が合う」「交通の利便性が良い」「募集職種(仕事内容)」「賃金額が高い」が並んでいます。
■図1:平成29年版パートタイマー白書より
種別に見ると、学生では「賃金額が高い」「交通費・食事補助等の各種手当の支給がある」が他(主婦・一般)より高くなり、「募集職種(仕事内容)」「無期雇用である」「社会保険に加入できる」「正社員登用制度がある」は低くなりました。主婦では「募集職種(仕事内容)」を重視する率が他より高く、「交通費・食事補助等の各種手当の支給がある」「研修・教育制度がある」は低くなりました。
一般では「無期雇用である」「賞与の支給がある」「社会保険に加入できる」「正社員登用制度がある」が他より高くなり、「交通の利便性が良い」は若干低くなりました。
仕事探しで重視する条件からは、学生と一般はライスワーク的回答が多く、主婦はライクワーク的回答が多く見られました。
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●文/関 夏海(せき なつみ)
2014年、株式会社アイデム入社。同年8月、人と仕事研究所に配属。賃金に関する統計・分析を担当。人と仕事研究所WEBサイトで発信している労働関連ニュースの原稿作成なども行っている。
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