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ココロの座標/河田俊男

第31回「詐欺師に会う」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2018年10月24日)

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 あなたは人にだまされたことがあるだろうか。ささいなことでも人が信じられなくなったり、ショックで心が深く傷ついてしまうかもしれない。

 

 

本物の詐欺師に会う

 

 多くの詐欺師は、詐欺を悪意のある行為と分かっているが、なかには悪意と認識していない者もいる。

 

 ある日、マスコミ関係の知人から「本物の詐欺師がいるんですが、会いませんか?」という電話があった。興味をひかれた私は会うことにした。喫茶店で会った詐欺師は身なりがよく、礼儀正しかった。店の椅子に座るなり、彼は名刺を出した。有名な国会議員の名刺で、「親しい先生なんですよ」と彼は言った。その後も有名企業の社長や団体の理事長の名刺を出し、自分との関係を話した。名刺は古びていて、使い回しているようだった。

 

 

 

 

2枚の名刺

 

 一通り話し終えると、ようやく彼は自分の名刺を出した。名刺は2枚で、肩書きが違っていた。1つは社長、もう1つは団体の理事となっていた。彼は再び口を開き、石油や原子力などのエネルギーに関する話を始めた。話しぶりは熱を帯び、だんだんヒートアップしていった。佳境に入ったのは、新しいエネルギーの話になったときだった。

 

「………エネルギーのない日本はどうしたらいいのでしょうか。そこで、新たなエネルギーとして注目されているのが、液化天然ガスです。他にもありますが、エネルギーには採掘権というものが存在します。ここからが大切なお話です。その採掘権が手に入るのです。簡単にいうと、一口100万円が1000万円に大化けするというお話です。だからこそ、ごく一部の人にしかこの話はできません。ご紹介者があって、身元がはっきりされた方だけに、特別にお話をしています。すでに残り少なくなっていますが、5口ほどいかがですか?」

 

 彼はカバンからパンフレットを取り出し、採掘権に関する投資の説明を始めた。そして「エネルギーのほかに、ダイヤモンドの採掘権もあるんです」と言った。終始巧妙な説明で、彼を詐欺師と知っていなければだまされていたかもしれなかった。

 

 

だまされることも、嘘をつくこともある

 

 人は、いろんな形でだまされる。例えば、女性が街中で占い師に手相を見てもらう。いい手相なので、もっと丁寧に見る人を紹介すると言われ、ついて行った先にいた占い師に「運が開ける印鑑を手にしなさい、もっと運が開ける」と言われる。その気になった女性は印鑑を買ってしまうが、あまりにも高額だったので、とても後悔する。
 あるいは、きれいな女性たちが写っている結婚情報センターのパーティーの画像を見た男性が、彼女たちの誰かと結婚できるという希望をもって入会した。参加してみると、画像の女性たちは男性を集めるためのエサで、会員ではなかった。

 

 また、ある女性は街で突然「あなたのような人を探していました」と声をかけられた。「もしかしたら、テレビに出ていましたか?」と言われ、店でお茶を飲みながら話をすることになり、最終的にはタレント養成学校に通うことを約束させられた。怪しいと思った彼女は学校の場所に行ってみたが、実在していなかった。ショックだったが、簡単な誘いにのった自分が恥ずかしく、誰にも言えなかった。

 

 嘘をつくのも、珍しいことではない。夜遅くまで不倫相手と飲んでいた夫が、帰宅して妻に「上司から無理やり飲みに誘われて」と嘘をつく。学生がアルバイト先に「親戚の叔父が亡くなりました。今日はお通夜で、明日は葬式なので休ませてください」と連絡をして、実際は彼女とディズニーランドで遊んでしまう。誰にでも身に覚えがあるかもしれない。

 

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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