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ココロの座標/河田俊男

第35回「孤独死の予感」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2019年2月21日)

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 冬の寒い朝、人知れず亡くなる人がいる。いわゆる孤独死である。孤独死は一人暮らしの高齢者に限ったことではない。

 

 

知人が孤独死

 

 最近、私の知人が孤独死した。50代の中高年男性で、急性の心臓疾患だった。自宅で亡くなっており、発見されたときには死後2週間ほど経過していた。彼は不動産投資で財を築き、それなりに裕福に生活していたが、一人暮らしで社会から孤立していた。結婚していたときに娘をもうけたが、離婚してからは連絡を取り合っていなかった。

 

 彼は人を信用できず、お金だけを信じて生きてきた。ひどいケチで家族から嫌われており、それは離婚原因でもあった。死亡する直前、自宅で突然の不調に襲われた彼は娘の携帯に連絡したが、いつものように無視された。誰かに救いを求めようと、玄関のほうに向かう途中で命を落としたという。

 

 

 

 

 

迷惑はかけられない

 

 38歳の京香は通販会社で、商品説明のオペレーターをしている。うつ病で1年ほど休職して復帰したが、日々の仕事でミスを繰り返していた。同僚たちがカバーしてくれるが、ふがいない気持ちになっていた。ある日、勇気を出して同僚に「迷惑ばかりかけているので辞めたい。私は役に立たないから、死んだほうがいいと思っている」と、本当の気持ちを明かしてみた。

 

 すると、同僚は困惑した表情になり、黙ってしまった。突然そんなことを言われたので混乱したのだ。京香は同僚の態度を見て、もう誰にも自分のことを話せないし、気持ちを分かってもらえないと感じた。

 

 京香は一人暮らしだ。転職する気力がないので、会社を辞めたらわずかな預金をくずして生活するしかない。お金がつきたら孤独死するかもしれない。そんな恐れを漠然と感じていた。自分は独身で、彼氏もいない。学生の頃は、20代で結婚して子供を産むと思っていたが、現実は違った。最近は「生きる意味がない」と感じ、心が孤独にむしばまれていた。

 

 

「うつ病」とは言えない

 

 32歳の冬馬は、倉庫でアルバイトをしている。毎日が憂うつで疲れやすく、夜も眠れない。医師にはうつ病と診断され、薬を飲んでいた。

 

 上司には「調子が悪いようだったら、休んだらどうだ」と言われているが、本当に休めば代わりの人が来て、仕事を失ってしまいかねない。だから、「うつ病で治療を受けている」とは言えなかった。もし失業してしまったら、次の仕事が見つからずにホームレスになり、路上で死んでしまうと考えていた。

 

 冬馬は大学でうつ状態になって中退してから、自分はどんな人生を歩んでいいのか分からずにいた。会社に就職してこきつかわれるのは嫌だと思っていたが、アルバイト生活が10年以上になり、不安とストレスを感じていた。一念発起して人生を変えようとした時期もあったが、今は毎日「消えてしまいたい」とばかり思っていた。

 

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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