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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2019年3月28日)
未来を知るには、どうしたらいいだろうか。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という映画があった。あの映画のように、時間を自由に行き来できるクルマでもあればいいが、開発されていない。未来は分からない。
確かな未来
生まれたばかりの子供を抱え、突然、咲恵は私の前に現れた。21歳の咲恵は数年前に相談に来たが、パタリと来なくなった。当時は、恋愛依存症という悩みを抱えていた。普通の会社員をしていたが、キャバクラでアルバイトをするようになり、連日のように客である男性たちとのデートを楽しむことで、悩みは消えたようだった。
咲恵は、占いが好きだった。占い師に「幸せなことが起こる。いい出会いがある」と予言され、毎日のようにそのときを待った。そして、ある男性に耳元で「幸せにしてあげる」とささやかれた。咲恵は舞い上がり、胸が高鳴った。占い師の予言どおりだ。その後、咲恵は妊娠した。子供の父親は、耳元でささやいてくれたあの男性だと思った。妊娠を告げると、男性に「よりによって俺の子供だとかよく言うよ。金でも取るつもりか」などと言われてショックを受け、私のところに来たのだった。
咲恵は、確かな未来が欲しかった。どうなるか分からない未来は不安で、恐怖でしかなかった。
占い師の言葉
彼女は、占いを信じすぎていた。そうした人の中には、不合理な思考によって人生を振り回されてしまう人がいる。
私たちは、さまざまな不合理な考え方を持っている。例えば、自分は災害にあわないと思い、まったく準備をしないことがある。これは、現状維持バイアスというゆがんだ思考が働くからだ。しかし、そのおかげで不安を感じないで生きられるとも考えられる。
確証バイアスという不合理な思考がある。情報を無理矢理、自分の意見に合わせて解釈しようとすることだ。自分の考えと合わないことは排除してしまう。
咲恵は「幸せなことが起きる」という占い師の言葉を、素敵な男性との出会い、素敵な結婚などと、自分の都合のいいように解釈した。そして、ある男性に「幸せにしてあげる」とささやかれたことで、占い師の言葉と関連づけてしまった。自分はこれで幸せになれると思い込んだのだ。
バーナム効果
咲恵が占い師を信じ込んでしまった理由は、ほかにもある。巧みな話術で、バーナム効果が起きたと考えられる。
バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような漠然とした一般的なことを言われても、自分に当てはまると信じてしまうことだ。例えば、「幸せを求めていましたね、どうですか?」などと言われると、自分の心の奥底を言い当てられたような気分になり、自分のことをなんでも知っていると勘違いし、信じてしまうのだ。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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