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人材育成のツボ

イチローから学ぶ“しなやかに仕事をする”ヒント

アイデム人と仕事研究所の研修部門の所員が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。(2019年5月16日)

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 平成31年3月21日(木)、日米通算4367安打の米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手が引退を発表しました。平成を代表するアスリートには、令和でも活躍する姿をみたいというファンも多かったのではないでしょうか。引退記者会見では「後悔なんてあろうはずがない」と語っていましたが、私たちビジネスパーソンも引退時に同様な心境になれるように、日々仕事に取り組みたいものです。

 

 イチロー選手は「野球」を仕事として、日本のプロ野球で9年、米国のメジャーリーグ18年と、常にトップレベルで結果を出し続けてきました。その秘訣は何でしょうか。引退記者会見の発言から、ビジネスパーソンに必要とされるスキルを整理してみたいと思います。

 

 言わずもがなですが、イチロー選手は「レジリエンス・スキルが非常に高い」です。レジリエンスとは「極度に不利な状況に直面しても正常な平衡状態を維持することができる能力」(Gボナーノ/コロンビア大学教授)のことを指します。数年前に話題になり、マスコミになどで「逆境力」「折れない心」という表現で紹介されていましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。レジリエンスについて、いまでは様々な表現がありますが、わかりやすく言うと「心理的な負荷がかかった際に、竹のように曲がったり、しなったりするけれども、けして折れない、“しなやかな”対応ができる考え方」でしょう。

 

 

 

 

■イチロー選手も心が折れる、周囲のサポートが後押し

 

 レジリエンス・スキルが高いイチロー選手は、「どのような時も前向きに野球に取り組んでいるに違いない」と私は思っていました。しかし、誤っていました。イチロー選手も心が折れていたのです。昨年5月3日、イチロー選手は、スペシャルアシスタントアドバイザー(会長付特別補佐)」の契約を結び、選手としては残り試合は出場しないことになりました。そして今季の契約が未定の時期の心境を、引退会見で次のように語っています。

 

『あの時考えていたのは、自分がオフの間、アメリカでプレーするまでに準備をする場所というのは神戸の球場なんですけど、寒い時期に練習するので、へこむんですよね。やっぱ心が折れるんですよ。そんな時もいつも仲間に支えられてやってきたんですけど、最後は今まで自分なりに訓練を重ねてきた神戸の球場で、ひっそりと終わるのかなあと』

 

 あのイチロー選手も心が折れる。でも、可能性がある限り前向きに取り組んでいく姿勢を崩さない。そこには、レジリエンスの構成要素の1つである「社会的支援」があったようです。「社会的支援」とは、周囲のサポートを得る力のことです。前述のコメントでも「仲間に支えられてやってきた」とあります。そして、次のようなコメントもありました。

 

『人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わってきた。その点で、ファンの方の存在なしには、自分のエネルギーはまったく生まれないと思います』

 

『妻もそうですけど、とにかく頑張ってくれました。それと一弓ですね。我が家の愛犬ですね。今年で18歳になろうかという柴犬なんですけど、さすがにおじいちゃんになってきて、毎日フラフラなんですけど、懸命に生きているんですよね。その姿を見ていたら、それは俺がんばらなきゃなと。これはジョークとかではなくて、本当にそう思いました』

 

 イチロー選手でさえも、応援してくれるファン、そして家族の存在があってこそ、前向きに「野球」という仕事を続けることができたのでしょう。心が折れそうな時に、気持ちを奮い立たせてくれる「社会的支援」を受けられる自分になることが、しなやかに仕事をする一つの要素と言えます。

 

 

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●文/波多野雅彦(はたのまさひこ)
アイデム人と仕事研究所 教育・研修企画担当/キャリアコンサルタント(国家資格)
大学卒業後、大手ゼネコンにて国内外建設プロジェクトの施工管理に従事。経営学修士号取得後、経営コンサルティング会社にて、経営体質改善・人材育成支援業務に携わる。現在、アイデム人と仕事研究所にて、教育・研修を通してお客様が目指す会社づくり、人づくりにお役に立てることを目指して日々業務に取り組んでいる。

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