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労働ニュースに思うこと

忘年会に来た女性社員に「今日、子供は大丈夫なの?」と聞いていないか?

個人の働き方や企業の人事労務、行政の労働施策など、労働に関するニュースを取り上げ、課題の解説や考察、所感などをつづります。(2019年11月28日)

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それ、男性にも聞きますか?

 

 そろそろ、忘年会シーズンですね。今回のタイトルを見て、「?」と意図が分からないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。「普通に聞くよ…だっていつも時短だから珍しいな、って思うし」という方もいるでしょう。

 しかし、私がタイトルのようなことを聞かれたら、違和感を覚えます。「夫と調整したからこそ、ココにいるんですけど…。大丈夫に決まっているでしょ。というか…ソレ、男性にも聞きますか?」と思ってしまうのです。少しひねくれていますか?

 

 もちろん、同じ文言でも前後の文脈や日ごろの関係性で、発言者の方が聞きたいニュアンス、女性従業員が受け止めたニュアンスは異なるかもしれません。とは言っても、飲み会に来た“男性”従業員に「今日はお子さんを見ていなくて大丈夫なの?」という疑問が自然に生じる方は、どのくらいいるでしょうか? 個人的には、あまり多くはないと思います。

 

 それはやはり、「子供の世話は母親がするもの」「父親が平日に1人で子供を見ることなんてない」といった、性別役割分業意識が少なからずあるからではないでしょうか。

 

 

 

 

無意識の偏見―アンコンシャス・バイアス

 

 これは、アンコンシャス・バイアス【unconscious bias】ではないでしょうか。日本語に訳すと「無意識の偏見」「無意識の思い込み」。知的連想プロセスの1つで、自分では無自覚で全く他意がなくても、実は差別や過剰な配慮につながる歪んだ見方をしていることを指します。

 

 例えば、新入社員が「うちの親、単身赴任しているんです」と言っているのを聞いて、あなたの頭に浮かんだのは「男親」ですか「女親」ですか? シニアの従業員が入社したら「パソコンが苦手そう」「融通が利かなそう」と思っていませんか?

 「男は出世したいはず」「女だから家庭優先」「理系といえば男性」など男女に関するものもあれば、「若者は発想が新鮮」「年配者は頑固」などの年齢について、「外国人だから自己主張が強い」など国籍や宗教に関するものまで、様々なアンコンシャス・バイアスがあります。

 

 

アンコンシャス・バイアスはいけないもの?

 

 アンコンシャス・バイアスは、個人が生きてきた環境や過去の経験や習慣などから形成された、その人の価値観や嗜好とも言えます。ですから、誰しもが何らかのアンコンシャス・バイアスを持っています。

 

 一方で、多様な価値観との共生が取り沙汰される現代において、アンコンシャス・バイアスは重要なテーマの1つとも言えます。アンコンシャス・バイアスは誰もが持っていますが、無意識ゆえ、何気ない行動や発言に表れてしまい、相手にネガティブに作用してしまうのです。例えば、日々のちょっとした雑談の中で、若い人を見下したような言動を取る、女性を軽く扱うような態度を取る、性的マイノリティを揶揄するような発言をする―それ自体は直ちに大きな問題とはならないかもしれません。しかし、当事者は違和感や疎外感を覚えます。

 

 特に、様々な属性の人が集い、パフォーマンスを発揮しなければならない職場では、アンコンシャス・バイアスによって職場の人間関係が悪化したり、個人のパフォーマンスに悪影響が及ぶ可能性もあります。また、リーダーがアンコンシャス・バイアスを持っていると、労働者の採用や評価・育成などの面で個々の資質ではない部分に判断が働き、適切な配置や評価の妨げになるおそれもあるのです。

 

 

>>>次ページに続く

 

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●文/古橋孝美(ふるはし たかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。データリサーチチーム所属。求人広告の営業職として、企業の人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動し、企業と労働者への実態調査である『パートタイマー白書』の企画・調査・発行を手がける。2012年、新卒採用・就職活動に関する調査プロジェクトを立ち上げ、年間約15本の調査の企画・進行管理を行う。2015年出産に伴い休職、2016年復職。引き続き、雇用の現状や今後の課題について調査を進める一方、Webサイトのコンテンツのライティング、顧客向け法律情報資料などの作成・編集業務も行っている。

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