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シゴトの風景

第95回「出世コースから外れて」

働く個人にこれまでのキャリアや仕事観を聞き、企業が人を雇用する上で考えなければならないことを探ります。(2020年2月13日)

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 勤続30年以上になる会社員人生の中で、西尾照彦さん(仮名・57歳)は現在、最も穏やかな毎日を送っている。時間に追われるような仕事はなく、ほぼ毎日定時で帰れるという。

 

「新卒で入社してから、ずっと今の会社で働いてきました。いろいろありましたが、精神的には今が一番落ち着いているかもしれません」

 きっかけは、数年前に出世コースから外れたことだ。
「端的にいうと、派閥争いのようなものに巻き込まれたのです。そのときは複雑な思いがありましたが、今から思えば、それでよかったのかもしれません」

 

 大学卒業後、西尾さんは食品加工会社に就職した。営業職を希望していたが、人事部に配属され、採用業務や社員教育に長く関わってきた。
「人事はやりがいのある仕事ですが、個人的には、あまりおもしろい仕事とは言えません。人の裏側を見るようなところがあり、精神衛生上よくない面もあると思います」

 

 

 

 

 人事部で西尾さんは順調に出世し、50過ぎで部長になった。その後は役員というコースだったが、状況が変わった。
「うちはオーナー企業なのですが、上のほうでちょっとした争いがあったのです。私が懇意にしていた次期社長と目されていた専務が会社を離れることになり、体制が大きく変わりました」

 

 西尾さんは人事部から別の部署に異動になり、出世からは距離を置くことになった。
「異動当初は、すべてがばからしくなって辞めることも考えたのですが、だんだん気持ちが変わっていきました。私はそういう人事を初めて経験しましたが、組織にいれば誰にでもあることです。人事の仕事は好きではありませんでしたが、出世してこられたのは運がよかったのかもしれません。それに、さらに上にいっていれば、心労はたえなかったと思います。今はそういうプレッシャーから解放され、のびのびしています」

 

 出世から離れたことで、西尾さんは会社に対する姿勢が変わった。会社になんでも言えるようになったという。
「以前は上にいきたいと考えていたところもあり、自分の言動に注意していました。言いたいことがあっても心証を悪くしたくないので、がまんしていたこともあります。でも、今はそういう遠慮がなくなりました」

 

 視点も変わった。出世した人を見ると、窮屈に感じるようになった。自分のことよりも、上の意向や会社を優先しているように西尾さんの目には映るという。
「営業部に同期がいるのですが、あるときから出世を望まず、自分のやりたいように仕事をしています。当時は、その生き方に違和感を覚えましたが、今はよく分かります。彼は管理職になるより、現場でお客さんと長く付き合っていきたいと言っています」

 

 

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●取材・文/三宅航太
大学卒業後、出版社、編集プロダクション勤務を経て、2004年、株式会社アイデム入社。Webメディア管理グループ所属。同社がWebサイトで発信する「人の戦力化」に関するコンテンツの企画・編集業務に従事する。さまざまな記事の作成や数多くの企業を取材。

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