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ココロの座標/河田俊男

第57回「客を怒らせる店員」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2020年12月17日)

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 買い物をしているとき、店員の態度に不愉快な思いをしたことはないだろうか。おそらくその店員は、過去にも何らかの問題を起こしている。そうした店員には、想像もつかない問題が隠されていることがある。

 

 

ケース1:リサイクルショップ店員

 リサイクルショップに勤める65歳の武夫は、よく客を怒らせていた。ある日、カメラを買った客が「小さな傷が気になるので返品したい」と言ってきた。返品規定はクリアしていたが、武夫は「だったら最初から新品を買えばいい。カメラの機能に問題はない」と言った。そして傷があることは商品説明に記載してあり、見逃していることを指摘した。

 そのことを責められた客が激怒し、武夫とつかみ合いになりかけたところで、店長が止めに入った。店長は客に謝罪し、返品を受けた。その後、武夫は店長に注意されたが、不快感をあらわにした。

 

 

 

 

ケース2:コンビニ店員

 28歳の穣一はコンビニエンスストアで働いている。彼は、いつも客のクレームにあっていた。それはレジでつり銭を投げたり、商品を粗末に扱ってしまうからだ。店員としてあるまじき行為に、客は腹を立てて「どうして、そんなことをする」と怒鳴る。しかし、穣一は不審な顔をして黙っていた。謝らない彼に対し、客はますます怒ってしまうので、代わりに店長が謝った。穣一は普段は誠実で真面目な男だが、レジに立つと客を怒らせてしまう。店長は、彼に辞めてもらう決心をした。

 

 

ース3:携帯ショップ店員

 24歳の義男は携帯ショップの店員になって1年になる。彼も、よく客とトラブルを起こしていた。例えば、「このスマホは、もうすぐ割引する予定です。その時期になったらお知らせします」と親切な対応をする。ところが連絡することはなく、客を怒らせてしまうのだ。

 義男は自分の言ったことをまったく覚えていなかった。店長はクレームのたびに「自分で責任の負えないことは言わないようにしてほしい」と注意するが、それでも、同じことを繰り返していた。

 

 

ゆがんだ先入観

 

 リサイクルショップの武夫は、店長に「リサイクルショップにくる人は貧乏人です」「こうした店を利用する客は、新品ではないということを理解していなければならない。そんなことも分からないのは愚かな人間です」などと言った。彼は製造業で長く働いていて、サービス業の経験はない。サービス業の基本が分かっていないとはいえ、ゆがんだ先入観や固定観念があった。

 

 だが、本人に自覚はなく、店長がそのことを指摘しても理解できなかった。彼には新しいことを学ぶ学習能力や、自己認知能力が欠けていた。

 

 

慢性疾患と人格のゆがみ

 

 コンビニ店員の穣一は、手の指先が微妙に震える疾患があった。仕事のときは、客にそれを悟られないように振る舞っていた。その行動がつり銭を投げてしまったり、客には商品を粗末に扱っているように見えてしまうことがあった、

 

 彼は、震えでうまく仕事ができないと思いたくないし、他人に気づかれたくなかった。そんなプライドとコンプレックスが同時に働き、客からクレームを言われてもうまく対応できなかった。声も震えてしまうので、謝罪の言葉も口にできなかった。

 

 携帯ショップの義男は、ゆがんだ受動的攻撃的人格のようだ。優しく対応するが、無意識的には攻撃的で「約束なんてどうでもいい」と思っている。だから人をだますことになる。この人格のゆがみを、本人も先輩も店長も気づいていないため、同じことを繰り返すのだ。

 

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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