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労働関連のトレンド用語を解説します。(2021年1月7日)
ある経験や起きている事象に対して、能動的に意味を与える思考プロセスのこと。直訳すると「意味(sense)の形成(making)」、いわば「意味づけ・納得性」で、イノベーションを起こすための必須条件の1つと言われています。概念自体は1970年代に組織心理学者のカール・ワイクによって紹介され、近年では特に経営学の分野で注目されています。
現代は「VUCA時代」と言われる予測不能な環境です。過去の経験や事例の分析に基づいて次のアクションを決めることが難しくなっています。リーダーには過去や前例に囚われず、変化していく周囲の環境を分析し、合理的な仮説を立てた上でベストな選択肢を選択し、スピーディに行動していくことが求められます。
その際には、もはや「過去の成功体験と同じように行動する」というメッセージでは組織を動かすことはできません。メンバーやステークホルダーから理解や協力を得、組織のベクトルをそろえて積極的な行動につなげるために、「こんな軸を持って考えれば、どんな状況でも持続的な成長が見込める」という明確で納得性のあるメッセージを伝えて、行動につなげること―これが「センスメイキング」です。
センスメイキングは感知、意味づけ、行動の3つのプロセスで構成されており、これらを循環させることで効果が高まっていきます。
●感知
組織の内的・外的現状を俯瞰し、いち早く情報を捉える。
<センスメイキングが効果を発揮する状況>
・危機的な状況:市場の低迷やシェア低下、天変地異など
・アイデンティティの喪失:自社の強みの陳腐化、経営理念やビジョンへの疑念など
・意図的な変化:イノベーションの創出、多角化戦略、M&Aなど
●意味づけ
起きた事象に対して、関わるメンバーが共通の認識やイメージを持てるよう「意味づけ」をし、それを納得してもらえるようなストーリーを構築して伝える。
●行動
意味づけやストーリーへの納得によって、メンバーが「自分がやるべきこと」を能動的に考え、行動していく。
センスメイキングを体現しているエピソードとして、「ハンガリー登山隊の雪山遭難」の話が知られています。登山隊が雪の降るアルプス山脈で遭難し、ほぼすべての装備を失います。誰もが絶望して死の恐怖に怯えていたところ、隊員の1人がポケットの中に地図があることに気づきます。登山隊はその地図を頼りに下山し、全員の命が助かりました。
しかし、後から分かったことですが、その地図はアルプス山脈ではなく、ピレネー山脈の地図だったのです。全員が下山できたのは地図があったことではありません。地図があったことによって現状を冷静に分析し、能動的に行動したことにあります。
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