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ココロの座標/河田俊男

第60回「夫婦ゲンカがエスカレートして」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2021年3月25日)

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 昔から「夫婦ゲンカは犬も食わない」などと言われるが、違う環境で育った2人が結婚して一緒に暮らせば、些細なことでケンカになることもある。どんな夫婦にでも起こりうる話だ。だが、ケンカは家庭不和にまで発展してしまう可能性がある。

 

 

蒸発した父親

 

 小学2年生の翔太は、学校が終わると近所の児童館に行くのか日課だ。翔太は児童館の職員に「僕には欲しい能力が2つあるんだ」とよく話していた。暴力を予知する能力と、透明になる能力だ。翔太は「ぶたれることを予知できたり、透明になることができれば、暴力を受けないですむからね」と言った。
 翔太は父親が母親に暴力を振るっているところを見たり、母親から理不尽な暴力を受けていた。だから、暴力を受けない能力が欲しかった。しかし、翔太がその能力を身につける間もなく、彼の父親は姿を消してしまった。

 

 ある日、翔太の母・敦子は買い物から帰ってくると、テレビを見ていたはずの夫がいなくなっていることに気づいた。どこかに出かけたのだろうと思っていたが、夜になっても帰ってこない。嫌な予感がしたので、たんすの引き出しを調べた。すると、現金の入った封筒と預金通帳、印鑑がなくなっていた。

 昨日、夫婦で口論をした。敦子はいつものように「早く仕事に就いてよ! お金がないんだから」と夫を責めた。いつもの他愛のない夫婦ゲンカだと思っていた。

 

 

 

 

価値観の違い

 

 夫はコロナ禍の影響で失業していた。ネットで求人を探したり、ハローワークに行ったり、知人に連絡をするなど、仕事の口を探していた。一方、敦子は派遣社員をしていたが、任期満了で退職したばかり。夫と同様、仕事を探していたが、難航していた。最近2人は夫婦ゲンカばかりで、原因は経済的な不安だった。

 

 新婚当初、敦子と夫はとても仲がよかった。しかし、夫がパチンコ店に行ったり、外で酒を飲んで帰ってくると口論になった。敦子は無駄づかいでお金がなくなることが耐えられなかった。だから散財する夫に文句を言った。すると夫は彼女に暴力を振るった。

 

 

夫婦の相補性

 

 問題は、夫婦の価値観の違いばかりではない。コロナ禍で失業し、収入を失ったストレスもある。そして、夫が姿を消すという事態にまで発展してしまった。これはストレス・クロスオーバーの状態になったと考えられる。
 ストレス・クロスオーバーとは、仕事で感じたストレスが配偶者に影響を及ぼし、配偶者のストレスになってしまうことだ(引用:『離婚の心理学』加藤司著/ナカニシヤ出版)。今回のケースは、仕事が決まらないストレスを夫婦が互いに向けていた可能性がある。

 

 健康で親密な夫婦関係では、互いの無意識の願望や役割を補おうとする働きがある。だが、敦子たちにはそれがなかった。夫は家事や育児を敦子に押し付け、手伝おうとしなかった。また、敦子が経済的な不安を抱えていたことを、夫は分かっていたはずだが、無視した。敦子は情緒不安定になり、些細なことにもイライラしていた。その不満は夫に向かい、耐えきれなくなった夫は姿を消してしまった。

 

 この夫婦は、共同生活者に過ぎなかった。お互いに愛しあい、尊敬しあい、感謝しあっている夫婦ではなかった。

 

 

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につづく

 


●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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