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マチガイだらけの社員教育

定着率アップを実現! 中堅スーパーチェーンで行った研修のウラ側【前編】

社員教育を行うときに考えておきたいことや注意したいこと、心に留めておきたいことなどをお伝えします。(2021年5月27日)

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研修は、仕事で結果を出すための手段

 

 都市部を中心にチェーン展開している中堅スーパーA社の社員教育をお手伝いして、7年ほどになります。お手伝いすることになったきっかけは、A社で教育を担当しているBさんからお問い合わせをいただいたことです。Bさんは、旧態依然とした会社の体制を変えていかなければ生き残っていけないという危機感を持っていて、そのためには「人材育成が必要」と考えていました。当時、A社の業績は頭打ちで、スタッフの定着率も低く、社内の意識改革が必要でした。

 

 

 

 

 A社では以前から社員教育をやっていたそうですが、接客や販売などのテクニック的なことだけでした。今回は、会社の体制を変えるという命題だったので、本質的な能力を向上させる研修をやりましょう、ということになりました。

 

 まず、具体的な目標として、スタッフの定着率アップを掲げました。研修の成果は、仕事の成果でなければ意味がなく、「勉強になった」「おもしろかった」で終わってはいけません。研修は、仕事で結果を出すための手段です。そして、定着率アップを実現するために、店長を対象にした研修を行うことにしました。以下、研修企画のプロセスを5ステップに分けて、詳しく見ていきます。

 

 

●企画ステップ1:研修の全体構成を決める

 

 会社の体制を変えるための研修ですから、単発ではなく、全体像を考えながら長期的なスパンで研修を企画していく必要がありました。また、「実践で使える内容にする」ことが大切です。理論を知り、スキル・ノウハウを学ぶことはとても重要ですが、実践できなければ何の意味もありません。

 

 例えばダイエットをするとして、スポーツトレーナーからよい方法を教えてもらったとします。ダイエットは普段の生活で制限・挑戦しないことをやるため、プレッシャーも高いでしょう。そのため「この方法、私に合わない」「忙しいからできない」等々、3日坊主になってしまう人も多いと思います。でも、「毎日のノルマが思ったより高くなかったら?」「一緒に取り組む仲間がいたら?」「トレーナーが毎日チェック・指導してくれるとしたら?」、続けられそうな気がしませんか。

 

 継続していけば、必ず一定の効果が出ます。研修も同じで3日坊主にならない、より実践的なカリキュラムであれば何らかの効果は必ず出ます。
 以下、研修の全体像を考える上でのポイントを3つにまとめました。

 

 

(1)職場で実践できる人材開発、組織開発プログラム
 1年を通して「インプット(集合研修)して、アウトプット(職場で実践)する」仕組みを設計しました。A社は約80店舗あります。80人の店長を3つのグループに分け、年3回研修を行うことになりました。3カ月に1回×4回のインプット(集合研修)です。ポイントは、インプットしたことを職場の“仕事の中”で実践し、試運転をしてみることです。

 

 インプット(集合研修)したばかりですから、いざ実践してみると「できること・できないこと」があるはずです。それを、次のインプット(集合研修)の場で共有し、できたことは再現性をもたせ、質を高めるようにしていきます。できなかったことは、「なぜできなったのか?」を確認し、改善行動を立案して更なる実践を進めていきます。いわゆるPDCAが機能するように設計をします。


 

(2)能力・状況に応じた高すぎず、低すぎない目標設定
 現状に応じて、緊急、重要かつ容易な目標を設定します。ここでのポイントは高すぎず、低すぎず、かつ職場改善、上司力向上につながる目標であることです。高すぎる目標は、結局途中で頓挫してしまいますし、低過ぎる目標は職場改善、店長力向上が低いからです。

 

 

>>>次ページにつづく

 


【談】波多野雅彦

株式会社アイデム 東日本事業本部キャリア開発支援チーム教育・研修企画担当、キャリアコンサルタント(国家資格)

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