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判例に学ぶ労使トラブルの処方箋/岡正俊

従業員に副業の許可を求められたら〜M社事件(京都地裁平成24.7.13判決、労判1058号21頁)〜

近年、労働関係の訴訟は社会的関心が高まり、企業にとって労使トラブル予防の重要性は増しています。判例をもとに、裁判の争点やトラブル予防のポイントなどを解説します。(2022年7月26日)

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【事案の概要】
 本件は、運送会社(被告)に勤務する従業員(原告)が、他社でアルバイト就労をする許可を何回か申請したにも関わらず、被告が不許可としたのは「違法である」として損害賠償等を求めた事案です。

 

 被告は貨物自動車運送業等を目的とする会社であり、原告はその会社の運転手です。原告は運行ルートの変更により賃金が下がったため、アルバイトで収入を補おうとしました。被告の就業規則には「従業員は会社の承認を受けずに他の事業に従事してはならない、許可なく他人に雇用され会社の職務に悪影響を及ぼしたときは制裁を行う」などと定められていました。

 

 原告は、会社に無許可でアルバイトをして2度の懲戒処分を受けました。そこで、会社に他の運送業者や飲食業でのアルバイトの許可を申請しましたが、いずれも許可されませんでした。許可しなかった理由として会社は、原告が時間外労働をしており過労で事故の危険があること、アルバイト先が同業他社で被告の機密が漏れる恐れがあること、法定休日にアルバイトをすることで十分な休息をとれないことなどをあげました。

 

 

 

 

【裁判所の判断】
 裁判所はまず、労働者は雇用契約を離れて使用者の一般的な支配に服するものではなく、勤務時間以外の時間は自由に利用することができ、使用者は労働者の兼業を原則として許されなければならないとしました。その上で、兼業によって労働者の労働が不能になったり不完全になったり、企業秘密が漏えいすることもあり得るので、そういった場合のみ例外的に就業規則をもって兼業を禁止することが許されるとしました。

 

 そして、その判断を行うために就業規則で許可制を定めることは許されるとしました。ですが、恣意的な判断は許されず、使用者の経営秩序に影響がなく、労働者の労働に支障がない場合は兼業を許可する義務を負うとしました。

 

 兼業許可の判断にあたっては「どの程度の危険性があるか」について、被告の業務内容、労働者の担当職務の種類や内容、兼業先の業務内容や担当職務等を具体的に検討すべきであるとしました。そして原告の申請の一部について、残業の可能性があるにすぎないこと、法定休日はアルバイトを禁じるものではないこと、企業秘密の内容が明確でないこと等を理由に許可しなかったことを違法と判断し、被告に慰謝料30万円の支払いを命じました。

 

 

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●文/岡正俊(おか まさとし)
弁護士、杜若経営法律事務所代表。1999年司法試験合格、2001年弁護士登録(第一東京弁護士会)。専門は企業法務で、使用者側の労働事件を数多く取り扱っている。使用者側の労働事件を扱う弁護士団体・経営法曹会議会員。
https://www.labor-management.net/

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