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ココロの座標/河田俊男

第90回「カスハラに悩まされて」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2023年9月19日)

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 スーパーやコンビニで買い物をしているとき、客が理不尽な理由で従業員を怒鳴っているところを見たことがあるだろうか。いわゆるカスタマーハラスメント(以下カスハラ)である。そんな客にあたった従業員は、どのように対応すればよいのだろうか。


客に怒鳴られる

 35歳の織恵はスーパーで働いている。ある日の午後、レジに入ると買った商品を抱えて持ってきた客がいた。店では商品をカゴに入れて、レジを通すルールになっていた。彼女は「お客さん、買ったものはカゴに入れてください」と言った。すると客は逆上して「お客さんじゃないだろ、お客さまだ。バカ! それに“カゴに入れてください”じゃない。“できればカゴに入れていただけますか?”と言うんだ! どんな教育を受けてきたんだ! 俺はお客さまだぞ」と大声でまくし立てた。

 そして客は「気分が悪い。店長を出せ、店長を!」と続けた。織恵は丁寧な口調で商品をカゴに入れる理由を説明したが、客はそれをさえぎって「何を勘違いしているんだ、バカ! 俺は客だ。客がいてこそ商売になるんじゃないか! 早く店長を出せ!」と怒鳴った。




職場で孤立

 織恵はレジに入ると月に数回はこうした客にからまれ、ストレスを感じていた。織恵は少しぶっきらぼうな印象があり、他の従業員との関係を持たず、職場で孤立していた。そのせいか、彼女に暴言を吐く客がいても、ほかの従業員は仲裁に入らず、見て見ぬふりをしていた。そのため、余計に客がエスカレートしていった。

 やがて、彼女は心労で体調を崩し、レジに入ると顔がこわばるようになった。そして首が自分の意志とは関係なく震えたり、動くようになった。病院に行くと心因性ジストニアと診断された。


マイクロジェスチャー

 織恵はシングルマザーで、3年前に離婚した。原因は夫の不倫で彼女に非はないが、心の中では自分を責めた。一方で、前夫や不倫相手の女性への怒りや憎しみが募り、今も消えていない。そんな彼女は、夫と同年代の男性を見ると無意識で不快になり、言葉遣いやマイクロジェスチャーに表れていた。マイクロジェスチャーとは、一瞬の顔の表情や態度のことだ。中高年のカスハラ男性を見た瞬間、織恵の顔に一瞬不快や怒り、憎しみの表情が出る。無意識にやっていることだが、人を不快にするシグナルが含まれていた。

 暴言を吐いた客の多くが、彼女のマイクロジェスチャーに反応して、怒りを増幅していた可能性があった。前夫への怒りや憎しみがマイクロジェスチャーに出て、中高年男性の怒りを増幅させたのかもしれない。


他人の不幸を喜ぶ

 織恵は離婚してから生活に困窮し、前夫や社会のせいだと感じていた。やがて彼女は他人が不幸になることがうれしいという、ゆがんだ気持ちを持つようになった。テレビのワイドショーで不幸になった芸能人を知ると、楽しい気分になった。職場でも誰かが離婚した話を聞くと、心の中でうれしい気分になった。

 彼女は、自分が他人の不幸を喜ぶようになってしまったので、罰があたって心因性ジストニアになったと思い込み、うつ状態になった。日々のストレスや怒りや悲しみや寂しさを中和するために、そんなゆがんだ思考をするようになったのだ。まさか自分がジストニアになり、それまで以上に不幸になるとは思いもしなかった。


カスハラ加害者の心理

 消費者心理に詳しい関西大学教授の池内裕美氏によると、自尊感情が高く、自分で情動を調整できると思っている人ほど、カスハラをしやすいという。年齢はおよそ45〜59歳までの年代でストレスの多い世代だ。彼らの職業も、経営者や会社役員、自営業の人たちが比較的多い。また、彼らの年収は、年収1000万円を超える人の割合が多いことも分かった。

 カスハラの多くは強いストレスにさらされ、そのコントロールがうまくできない人によるもので、発散するために彼女のような弱い立場の人に暴言を吐くのだ。彼らは「〜はこうあるべき」といった自分勝手なルールを決め、それを強引に当てはめようとする。
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につづく


●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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