いよいよもうすぐ4月。新卒の新入社員の受け入れに向けて、準備を進めている企業も多いのではないでしょうか。中には、新入社員とどのように関わればよいのか、迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
かくいう私も、新卒3年目の後輩に対して「この伝え方で伝わるかな?」「プライベートな話はここまでしたら聞き過ぎ?」など、日々考えつつ接しています。
当社では、毎年4月に新卒の新入社員を対象にした研修を実施しています。その際、受講された新入社員の方々を対象に、アンケート調査を実施しております。これから3年間の調査結果をご紹介させていただきますが、新入社員との接し方について、ご参考にしていただければ幸いです。
<アンケート調査概要>
調査対象:新入社員研修の公開講座受講者
調査方法:研修会場でのアンケート用紙への記入
●2023年アイデム新入社員研修(4/4〜4/11)/公開講座受講者271人
●2022年アイデム新入社員研修(3/29〜4/6)/公開講座受講者199人
●2021年アイデム新入社員研修(4/2〜4/9)/公開講座受講者166人
新入社員が仕事をする上で大切にしたいことは?
仕事をする上で大切にしたいことについて良好な人間関係、仕事のやりがい、プライベート(趣味)時間の確保を大切にする、というトップ3は3年間変わっていません。良好な人間関係は、仕事をしていく上での土台となるものです。新入社員が社内での人間関係を築けるようにサポートしていく必要があります。また、新入社員には最初は基礎的な仕事を教えていくことになりますが、その際に「なぜ、この仕事を任せるのか?」ということを伝え、やりがいやモチベーションを醸成していく必要もあるでしょう。
また、3年間の傾向で変化しているものを見ると、給与の高さが増加傾向、昇進などのキャリアアップは減少傾向にあります。自分の仕事が認められて給与をしっかりもらえるということを求める一方で、昇進については意欲が薄いようです。「自分の成長=昇進」ではないということが考えられます。
職場での周囲との関わりは?
新入社員が職場に期待することは何か、2つの選択肢から一方を選んでもらいました。
会話について「活発でにぎやか」を求める割合が8割強いる一方で、年々「私語が少なく静か」を希望する割合が微増しています。コロナ禍でオンライン授業が増えるなど、リアルなコミュニケーションが減った世代ということも影響しているのかもしれません。
また、プライベートについては、「プライベートのことも話題にしたり話せる」が78%、「あまり詮索されない」が22%という結果です。3年間でみると「あまり詮索されたくない」が微増しています。仕事は仕事、とオンオフをはっきりさせたいという傾向があるのかもしれません。
上司・先輩からしたら、関係を構築しなくてはいけないけれど、プライベートには踏み込みすぎてはいけない…本当に迷うところですよね。個人的には、初めのうちは、仕事の話題のみにしつつ、少し経ったら休日はリフレッシュできたか、など、答えやすく気にかけていることが伝わるような話題で話をするように心がけています。また、踏み込んでしまったと自分で感じた場合、すぐに相手を気遣って嫌そうならやめる、というようにしています。
上下関係については、「緩い」を希望する方が増加傾向です。Z世代の傾向として、ものごとに意味を求めるため、上下関係に意味があるのか疑問に感じる場合があるのかもしれません。
●文/高橋脩子(たかはし しゅうこ)
株式会社アイデム 東日本事業本部 キャリア開発支援チーム/教育・研修企画担当、キャリアコンサルタント(国家資格)
団体職員として業務研修や経営者組織の運営に携わり、2018年に株式会社アイデムに入社。キャリアコンサルタントとしての傾聴力を生かし、顧客のニーズに沿ったコミュニケーション研修やビジネスマナー研修などを企画。学生向けや社内の研修で、講師としても登壇。仕事で生かせる研修の実施を意識して、企画提案を行っている。