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判例に学ぶ労使トラブルの処方箋/岡正俊

労働条件通知書の記載と職種限定契約〜K事件(京都地裁平成30.2.28判決、労判1177号19頁)〜

近年、労働関係の訴訟は社会的関心が高まり、企業にとって労使トラブル予防の重要性は増しています。判例をもとに、裁判の争点やトラブル予防のポイントなどを解説します。(2024年2月27日)

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【事案の概要】
 本件は、被告会社の従業員である原告が、違法な配転命令により損害を受けたとして、被告会社に損害賠償を求めた事案です。
 被告会社は海運航空貨物取扱業、通関業等を業とする株式会社です。原告は昭和53年から勤務し、平成25年2月26日に定年退職した後、嘱託社員として再雇用され、経営管理本部監査室長を務めていました。





 被告は原告に対し、(1)経営管理本部本部長付参事兼A監査室長から経営管理本部本部長付参事に異動させる配転を命じ、さらに(2)関西営業本部B事業部参事に異動させる配転を命じました。この(1)(2)の配転命令が「違法無効かどうか」が争点となりました。
 なお、被告の嘱託就業規則には、以下の定めがありました。

・会社は業務上必要がある場合、嘱託社員に配置転換、勤務場所の変更を命じることがある
・前項の命令を受けた嘱託社員は、正当な理由なく、これを拒むことができない

 また、原告と被告との嘱託雇用契約書には「従事すべき業務の内容」として「経営管理本部(本部長付)・A監査室(室長)関連業務およびそれに付随する業務全般」とされていました。


【裁判所の判断】
 裁判所はまず、原告と被告との労働契約において「職種限定の合意があるか」について、契約書の記載をあげました。同時に「職種限定合意がない場合でも、労働契約書や労働条件通知書において当面従事すべき業務を記載することは通常行われることであるから、上記の記載をもって直ちに職種を限定する趣旨であると認めることはできない」としました。

 また、原告が入社後、種々の業務に就いてきており、監査業務のみに従事してきたわけではないこと等を認定し、原告を監査室長以外の業務に就かせることが考えられない客観的事情があったとも認められないとしました。
 その上で結論としては、原告と被告との労働契約において「職種限定の合意があったとは認められない」としました。

 もっとも配転命令によって原告が実質的に減給になり、経済的不利益を受けることから、そのような不利益を課してまで配転を命じる業務上の必要性は認められないとして、「配転命令は権利濫用に当たり違法無効」としました。
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●文/岡正俊(おか まさとし)
弁護士、杜若経営法律事務所代表。1999年司法試験合格、2001年弁護士登録(第一東京弁護士会)。専門は企業法務で、使用者側の労働事件を数多く取り扱っている。使用者側の労働事件を扱う弁護士団体・経営法曹会議会員。
https://www.labor-management.net/
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