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事例で考える困ったときのマネジメント対応/山田真由子

第19回「効果的な人事考課面談にする3ポイント」

働き方や価値観が多様化する中、マネジメントは個別対応が求められています。さまざまな事例から、マネジャーに求められる対応を解説します。(2025年10月14日)

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 人事考課面談について、現場の管理職から「忙しくて準備する余裕がない」「どう進めればよいのか分からない」「評価は伝えるけど、部下の反応はいつも薄い」といった声がよく聞かれます。その結果、面談が「制度上やらなければならない作業」「結果を伝えるだけの場」になっているケースも少なくありません。

 本来、人事考課面談は評価を伝達する場だけではなく、部下の成長を支援し、信頼関係を築くための“対話の場”であるべきです。面談の質は、職場のエンゲージメントや離職率、そして組織全体のパフォーマンスにも影響します。人事考課面談を「育成と信頼構築のチャンス」として再定義することは、マネジメントの質を高め、組織力を向上させることにもつながります。





■今回の事例
 A課長は、Bさん(25歳)に人事考課面談を行いました。A課長はBさんがミーティングルームに入室してきてもノートPCから目を離さず、「まぁ、座って」と声をかけました。PCの画面に表示した評価シートを見ながら「この点数でいいよね?」と一方的に読み上げ、Bさんが事前に提出した自己評価には目を通していないようです。

 Bさんが「このプロジェクトで工夫した点がありまして…」と話し始めても、A課長は「ああ、それね。まあ、次も頑張ってよ」と話を遮り、会話は深まりません。評価の結果を伝えるだけで、「良かった点」や「改善点」についての具体的なフィードバックは一切しません。Bさんは「自分がどう評価されたのか、どこを見てもらえていたのか?」が分からず、面談はわずか7分で終了しました。


■解説(人事考課面談の3ポイント)
 A課長の人事考課面談は、やってはいけないことの見本のようです。改善すべき点があります。面談は、部下のモチベーションを上げたり、信頼関係を築いたりする上で大切な場です。有効に活用するための3ポイントを解説します。

【ポイント� 枳銘未亮舛蓮∋�前準備で決まる
 本人の自己評価に目を通さず、評価理由や伝える内容が整理されていないと、面談は形式的で中身のないものになってしまいます。人事考課面談は“準備が9割”です。面談前には必ず本人の自己評価に目を通し、「伝えるべきこと」「確認したいこと」をメモしておきましょう。評価シートをなぞるだけでなく、「どのような行動が評価につながったのか?」「次にどんなことを期待しているか?」といった具体的な視点で準備を進めることが大切です。

【ポイント�◆朧貶�通行ではなく“対話”の面談にする
 面談で部下の話を遮り、上司が一方的に話すだけでは、納得感や信頼関係は生まれません。面談は上司が“話す場”ではなく、部下の話を“聴く場”です。事前に自己評価を提出してもらい、「ここはどう感じましたか?」「どんな工夫をしたんですか?」と問いかけながら進めてみましょう。部下の言葉を引き出すことで、双方向のコミュニケーションが生まれ、信頼関係の構築につながります。
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●文/山田真由子(やまだ まゆこ)
山田真由子社会保険労務士事務所代表。特定社会保険労務士、公認心理師、キャリアコンサルタント。26歳のときに3度目の受験で社会保険労務士に合格。さまざまな業種にわたり、約15年のOL 生活を経て、2006年12月に独立開業。現在、「誰もが輝く職場づくりをサポートする」をミッションとして活動している。経営者や総務部担当者などから受けた相談件数は延べ10,000件以上、セミナー登壇は1,500回以上を数える。著書に『外国人労働者の雇い方完全マニュアル』(C&R研究所)、『会社で泣き寝入りしないハラスメント防衛マニュアル部長、それってパワハラですよ』(徳間書店)、『すぐに使える!はじめて上司の対応ツール』(税務経理協会)。
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