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マネジャーの心得/田中和彦

第5回「部下を動かすために上司が持つべき5つの力」

現場マネジャーに向けて、リーダーとしての心構えやマネジメントの手法などを解説します。

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部下を動かすのは、権力や報酬ではなく、ビジョン

 これは実際にあった話です。
 ある大手企業の管理職のAさんが、新しい部署に異動になりました。課長として着任したわけですが、そこへ赴いて最初に違和感を持ったのが、オフィスのレイアウトでした。
 課長席の前に、ドーンと革張りの立派な応接セットが置かれていたのです。そして、その右側にベテラン社員4人が座る机の島があり、左側に若手社員4人の机の島がありました。しばらく様子を見ていたのですが、どうもこの応接セットが部署の一体感を損ねているような気がしてならなくなりました。


 「この応接セット、端っこに動かしたいなあ」とつぶやいても、部下たちは意外に無反応。「どうかな? 動かすという案は」ともう少し大きな声を出すと、今度は、「便利だし、このままでもいいんじゃないですか」という反応が返ってきました。部下というのは、改革よりも現状維持を主張しがちなものです。「そうかな?」と首をかしげると、ほかの部下からも、  「重いし、大変ですよ」、「打ち合わせスペースとしても使えるし」、「前の課長が場所を決めたんですよ。そのやり方を否定するんですか?」の声が。


 「いやいや、そんな大げさなことを言ってるわけじゃないんだ。ちょっと変えてみたいんだよ」と言いながら、Aさんは、「じゃあ、率先垂範で自ら動かそう」と決めました。それなら部下も手伝ってくれるだろうと…。上着を脱いで、Aさんが「よっこらしょ」と動かし始めましたが、部下の誰も手伝ってくれません。冷ややかに見ているだけです。すると、ひとりの部下が、携帯でその姿を写して、「課長、怪力を見せる」という写メを友人に送る始末。Aさんは脱力感でいっぱいになったそうです。


 笑い話のような話ですが、さもありなんですね。
 こんな場合、部下を動かすには、ほかにも方法があります。「オレは課長だ。手伝わないヤツは、今度の人事査定がどうなるか、分かってるんだろうな?」と、権力を行使する方法。
「手伝ってくれた人には、今日は焼き肉をおごるぞ」と、報酬で釣る方法。


 いずれも、時と場合によっては効果的かもしれませんが、双方にとって、あまり気持ちのいいものではありません。
 最も望ましいのは、「この応接セットが動くことで、部署の風通しがよくなり、コミュニケーションが改善され、一体感が持てること。ベテランと若手が近づくことで、若手は先輩から多くのものを学び、ベテランは後輩の指導育成の意識が高められること」など、現状より何がよくなるのかというビジョンを指し示し、その将来像への期待によって、動機付けをするということです。
 「今よりも未来のほうが絶対によくなる」という上司の明確なビジョンが、部下を動かすのです。



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●文/田中和彦(たなか かずひこ)
株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、人材サービス関連企業に入社し、情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)など多数。
連絡先:info@planet-5.com
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