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ビジネスで使える心理学/菊原智明

【第39回】価格を上げると満足度も上がる「ウェブレン効果」

商談や接客時など、ビジネスシーンに応用できる心理学の知識を解説します。

ウェブレン効果とは?

  ウェブレン効果とは実際の機能よりも「価格が高い」というだけで、あたかもその消費の「価値が高い」と思い込む心理作用のことです。
 これは経済学者ソースティン・ヴェブレンの著作『有閑階級の理論』で紹介された理論で、顕示的消費つまりお金持ちの買い物は「見せびらかし」であると断じたことからきています。


●解説

 テレビ番組で銘柄を隠し”どちらがおいしいか?”というのを当てる企画を見たことがあると思います。人は味ではなく高い値段がついている物をおいしいと判断します。ワインなどは顕著に表れるものです。たとえ同じワインであっても高い値札がついている方が断然おいしいと感じます。このような事をウェブレン効果といいます。

 またウェブレン効果は、見せびらかしたいという人間が持つ見栄心を刺激するといった事もあります。人は人よりちょっといいものを持ちたいという欲求はあるものです。しかし、これは見栄だけではなく安心感にもつながります。あまりにも安すぎる商品は不安になります。逆に値段が高ければ品質が確かという安心感をもたらす場合もあるのです。

 先輩コンサルタントの方からこんな話を聞きました。

先輩「先日5,000円のセミナーをしたんだけどクレームが多くてね。以前、同じ内容で3万円のセミナーをやったんだけどそのときはまったくクレームは無かったし満足度も高かったんだ」
「同じ内容ですか?」
先輩「そうなんだ、同じ内容でも金額が高い方が満足するという事もあるんだよ」

 セミナーなどの形にないものは高い方が満足する傾向にあります。値段が高い分、お客さまは《これだけ払ったのだから絶対に元を取るぞ》と真剣になります。ですから自然に満足度が上がるのです。

 ではウェブレン効果を営業に応用してみましょう。

 今の時代、お金をふんだんに使えるお客さまはほとんどいません。予算ギリギリで考えている方がほとんどでしょう。予算の無いお客さまに満足してもらうためにはどうすればよいのでしょうか?

 私のお勧めとしては1カ所だけ、お金をかけたこだわりの部分を作る事です。お客さまによってさまざまなこだわりがあります。住宅の例でお話すればこのようなものがあります。
・玄関だけは豪華にしたい
・風呂はとにかく大きく
・リビングだけはお金をかけたい
・外壁だけはいい物を
などなど。

 お客さまの要望をよく聞いて、1カ所お金をかけるポイントを作ります。お客さまはそのことで満足するのです。また友人にも自慢しやすくなります。「うちは外壁だけにはお金をかけたんだよ」と言いたくなるのです。

 こうして友人に口コミが広がり、紹介が発生します。予算の無いお客さまも1つだけお金をかけるポイントを作る。それが満足度を高め、そして紹介を生むのです。





菊原智明●営業コンサルタント/関東学園大学経済学部講師。大学卒業後、大手住宅メーカーに入社し、営業部に配属。7年間のダメ営業マンから4年連続トップ営業マンへ。現在は【訪問しないで売る】営業のコンサルティングと大学生に向けて【営業の授業】を行っている。著書に『訪問しないで「売れる営業」に変わる本』(大和出版)、『トップ営業マンのルール』(アスカビジネス)など多数。
http://www.tuki1.net/

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