【第46回】トップ営業マンになるための「モデリング」
商談や接客時など、ビジネスシーンに応用できる心理学の知識を解説します。
モデリングとは?
モデリングとは、広義の意味での模型(モデル)を組み立てる事をいいます。何かしらの対象物を見本(モデル)に、そのものの動作や行動を見て、同じような動作や行動をするのがモデリングです。 人間(主に子供)の成長過程ではモデリング、つまりまねすることで学習・成長するとされています。
・解説
好きな芸能人、スポーツ選手など、憧れという意識からその人に少しでも近づきたいという心理が発することがあります。また対象者のファッションやしぐさなどをまねしたりします。こういった行為をモデリングといいます。
誰を好きになり、誰をモデリングするかによって自分自身が大きく変わるのです。誰を師匠にするのか?によって天と地ほども結果が違ってきます。
いい人をモデルにすればいい方向へ向かいますし、悪い人をモデルにすれば悪い方向へ行ってしまいます。とはいえ、理想的なモデルがそばにいるとは限りません。
近くにいるのはダメな先輩と、誰もまねできない特殊な売り方で結果を出す先輩しかいないこともあるでしょう。むしろそのようなケースの方が圧倒的に多いのです。 しかし、どんな人であってもモデリング対象にすることは可能です。
ダメ営業マン時代、私のすぐそばにダントツに結果を出す先輩がいました。しかし、その先輩を見て《あの人は別格だ、とても参考にならない》と別次元の人のように見ていました。 しかし本当にまねできないことばかりだったのでしょうか?あいさつの仕方、立ち位置、表情…などのまねできることがあったはずです。
他にもヒントはたくさん存在しています。営業をしているときだけでなく、普段の行動からまねできることもあります。
・帰りの3分間は机周りを片付けている・ランチは早めに出る・会議には一番早く行っている・電話に出るときは明るく大きな声で出ている
などなど。
ささいな事ですが、注意して観察していれば自分とは違う点に気づきます。逆にダメな営業マンはなぜダメなのか良く観察しましょう。《こうならないように気をつけよう》と反面教師にすればいいのです。
トップ営業マンをモデリングする事は大切です。しかし、いきなり特殊な営業スキルをまねしてもいい結果にはつながりません。結果ではなくプロセスをよく観察するのです。そしてささいな事からまねして下さい。それだけでも呼び水となり営業活動がうまく行く事もあります。
まずは、売れている人、調子のいい人のささいな習慣や行動を観察して1つまねしてみましょう。
菊原智明●営業コンサルタント/関東学園大学経済学部講師。大学卒業後、大手住宅メーカーに入社し、営業部に配属。7年間のダメ営業マンから4年連続トップ営業マンへ。現在は【訪問しないで売る】営業のコンサルティングと大学生に向けて【営業の授業】を行っている。著書に『訪問しないで「売れる営業」に変わる本』(大和出版)、『トップ営業マンのルール』(アスカビジネス)など多数。
http://www.tuki1.net/
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