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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。
居酒屋のアルバイト
大学生の翔太は、両親からの仕送りで授業料と家賃は何とかなるが、生活費は自分で稼がないといけない状態だった。そのため、自宅マンションの近くに、居酒屋チェーンのアルバイトを見つけた。
働き始めると、先輩や店長が丁寧に仕事のやり方を教えてくれた。店長からはよく「無理するな」「勉強がんばれよ」と言われ、翔太は親切でいいアルバイト先に恵まれたと思った。
ところが半年ばかりすると、店が忙しくなった。そんなとき、徐々にアルバイトが辞めていった。新人が入っても忙しくて教育ができないため、すぐに辞められてしまい、店は人手不足が常態化していった。
翔太は残業が増えた。店長に頼まれ、開店前の準備もするようになり、やがて開店から閉店まで、通しで仕事をすることが増えていった。
店長が変貌
翔太は1日中、店長と一緒に仕事をすることになった。ひどく疲れたときに勇気を出して、「休ませてください」と訴えたが、「代わりはどうする? 誰か連れてこいよ!」などと怒鳴られた。その後も「授業に出たいのですが」「試験を受けたいのですが」などと店長に懇願したが、「休むならペナルティーだ。バイト代から引いておくからな!」などと言われた。
店長の言動はどんどんエスカレートし、翔太が少し不服な顔でもすれば「お前、どうやって責任とるんだよ!」と言って、しつこく迫った。仕事を休むとペナルティーで給料を削られ、生活も苦しくなった。そんな状況でも、翔太の頭には店を辞めるという選択肢はなく、続けるしかないと思い込んでいた。朝から夜中まで、地獄のような連続勤務が続いた。
やがて疲れが抜けなくなり、夜も興奮して眠れなくなった。いつも情緒も不安定で、集中力が低下し、仕事のミスも多くなってきた。ミスをするたびに店長に怒鳴られるが、店長の声は現実感がなかった。まるでプールの中で聞くような声で、くぐもって聞こえた。
ついに、翔太は病院に駆け込んだ。すると、医師に「過労やストレスによるうつ病だね。少し休まないといけない」と言われた。翔太が薬を飲んで自宅で寝ていると、玄関のほうからドアをたたく音がした。そして、「サボっているんじゃないよ! なに隠れているんだ!」と怒鳴る店長の声がした。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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